初代の55話のタイトルは「決死のミニ潜水艦」です。
カッツェが新しい汚染物質の入った液体セルロールPCBを作って海を汚染する作戦に出る→南部博士対策を研究するもすぐに汚染除去する方法は見つからず→海を汚されたくなかったら降伏しろとカッツェが要求→健は降伏したフリをするが見抜かれ、巨大タンカーが汚染用潜水艦の母艦ではないかと疑う→ゴッドフェニックスに搭載していたミニ潜水艦で調査→ビンゴ、というのが全体の話の流れです。
反撃の時、健だけがミニ潜水艦で母艦に乗り込んで数人のギャラクター兵士を倒したり、その後カッツェも居るブリッジに行ってこれまた数人のギャラクター兵士を倒したりするのが今回のアクションです。この作戦が危険を極めるのであれば、「決死のミニ潜水艦」ということになるのもわかるですが、どうも様子が違います。
まず、今回の困難とは、ベルクカッツェが一体どこから指令を出しているか突き止めるのが技術的に困難という話です。しくじれば海を汚されるので、駆け引きに失敗するとまずいという困難もあります。が、忍者隊の身に重大な危険が及ぶかというと、そんなことは無いわけです。後半、カッツェはゴッドフェニックスを破壊しようとしますが、これは、海洋汚染作戦が阻止されそうになったからそちらに切り替えたわけで、武器を準備していたとしても、当初の目的とは違います。
他の回では、ギャラクターの基地や鉄獣の中に入ったら、数十人から100人超くらいの、アサルトライフル完備のギャラクター兵士にぐるりと取り囲まれているのが珍しくなかったことを考えると、今回健が相手にした敵の数はとても少ない。健にとっては、今回の戦闘は楽勝でしょう。「決死の」という形容詞がつく余地はどこにもありません。
ところが。
潜水艦で出撃した後、健はヤバい目に遭うんですね。ミニ潜水艦内部がこんなこと↓になります。
つまり、どっかの配線が焼けたらしく、ミニ潜水艦の操縦席内部に煙が満ちて健は咳き込みます。足元の配線からも火花が……。これで健は慌ててギャラクターの汚染用潜水艦の後を追って母船に潜り込む羽目になります。
でもね、これって、どうみても単なる整備不良ですよね。ゴッドフェニックスまわりの設計製作と整備運用の責任者って南部博士ですから、ミニ潜水艦がこの体たらくってのは、南部博士の責任ですよね。博士、滅多に使わない設備だからって、整備に人手を回さないとかチェックを怠るとか、何か手抜きをしませんでしたか?
最後に、爆発した母艦から漏れ出した汚染物質から、健は必死で泳いで逃げることになります。これが理由で「決死の……」なのかと思ったのですけれど、ミニ潜水艦が無事ならそれに乗って悠々と逃げ出せたかもしれませんね。あの煙の吹き方じゃそれもできそうに無かったから、健は泳いで逃げることになったんじゃないでしょうか。
つまり今回のタイトルが「決死の……」になった原因を作ったのは南部博士というオチのようなんですよ。
じゃあ、博士が何をしていたかというと、汚染物質は突き止めたものの、迅速に浄化する方法の発見には至りませんでした。最後に漏れ出した汚染物質は、ギャラクターが予め用意していた浄化カプセルできれいさっぱり浄化されてしまいます。
汚染物質の分離精製には成功したらしい。ISOから、海洋汚染解明&対策のリーダーに任命されて、張り切って研究したんでしょうけど、でも、忍者隊の使う装備の整備点検にもちゃんと気を配りましょうよ、博士。
海を死滅させた後の地球を征服したって、カッツェだって困るでしょうから、いずれどっかで浄化を考えるしかないでしょう。ということは、それまでは、カッツェと駆け引き=地球を人質にしたチキンレースを繰り広げるしかないわけですが、無公害エネルギーの開発を謳ったマントルプランの総責任者としては、立場上とてもそんなことはできなかったのでしょう。
触角頭の跳ね具合も今一つ元気が無くてしょんぼりなのが、汚染浄化の対策無しの状況に追い込まれた南部博士の心情をそのまま現しているようです。こういう南部博士も、見ていて何だかかわいいんですけどねぇ。
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