諸君の行動が逐一南部博士に筒抜けになっている模様。
10話「地底怪獣大戦争」。小型の蟻ロボットの大群が原子力発電所を襲います。このあたりは、まだ、バードミサイルの使用にいちいち南部博士の許可が必要でした。
ゴッドフェニックス内の会話はこんな感じです。
ジョー「洪水を起こして押し流せばいいだろ」
甚平「どうやって?」
ジョー「ほら、発電所の先に川が流れてるじゃないか。」
健「そうか、あれをバードミサイルで壊すんだ。博士、バードミサイルで蟻を退治します。発射を許可してください」
南部「ようし」
ようし、って博士……。蟻退治のために近くの川の堤防を壊すなどという作戦、報告がなければわからないでしょうに。原子力発電所の蟻退治ですから、うかつに使えば被害拡大は確実です。どう使うか知ってからでないとおいそれと許可なんか出せるはずがありません。なのに、確認もせずにいきなり許可しているあたり、実はこっそり諸君の会話を聞いていたんじゃないですか、博士。ゴッドフェニックス内に南部博士専用の盗聴器が仕掛けてあるのではないかという疑いが出てきました。
20話「科学忍者隊危機一発」。子犬を助けたジョーが爆弾の破片を頭に受けてしまう回です。南部博士は、ジョーを遠心分離装置にかけますが、破片は抜けません。博士が目を離した隙にジョーは逃げ出してゴッドフェニックスに合流します。
南部博士、
いや、たった一つだけ方法がある。
と言ってジョーを遠心分離機にかけても破片は抜けず。それでも、
ジョーは必ず助けてみせる。
と強気に出て、諸君を送り出しますが、あっさりジョーに逃げ出される。
その上、爆発の衝撃で振り回されたゴッドフェニックスの中で、簡単にジョーの頭の破片はとれてしまいます。
ジョー「俺が助けた子犬は……」
と、ジョーが言った瞬間、勝手にゴッドフェニックスの通信装置の画面に現れる南部博士。
子犬は元気だ。破片さえ抜ければ、後は私が助けてみせる。科学忍者隊は5人揃ってこそ、全力を発揮するのだ。今の気持ちを忘れないでくれ。
10話はまだ、南部博士が迂闊にも許可を出したという解釈もできますが、20話のこれはタイミングが良すぎます。ゴッドフェニックス内の会話を全部聞いていたのでなければ、ジョーの台詞に合わせて登場するなんてできないでしょう。どうやら、ゴッドフェニックス内の会話は、通信していないときでも南部博士に筒抜けと考えるしかなさそうです。
破片が抜けた直後だと、南部博士の破片除去案が大口叩いておいて効果無しだった以上、「ゴッドフェニックスで振り回されただけで出ちゃいました」じゃあ、南部博士の立場はありません。出るに出られずタイミングを見計らっていたであろう南部博士の姿が思いやられてきます。話が子犬のことになったのですかさず登場。「後は私が助けてみせる」と、あくまでも自分で何とかしようとしてますが、問題の大部分は解決済みですよ、博士。その後のとってつけたような台詞、いかにもばつが悪いのを誤魔化しているようで、普段は厳しい南部博士が何だかかわいく見えてきます。
73話「カッツェを追撃せよ!」。鉄獣メカを撃破した直後に、ゴッドフェニックスの通信装置に出てくる南部博士。本人は、別荘か三日月基地に居るのでしょう。
今の戦闘シーンをビデオテープで再生するから、よく見るんだ。いいか、君たちは見落としたが、脱出用ロケットで、ベルクカッツェは北北西へマッハ2.5で逃げている。
そのビデオ、誰がどこで撮影してたんですか、博士……。
追跡機が飛んでる様子はありません。ということは、南部博士が、ゴッドフェニックスに搭載したカメラで戦闘の様子を全部録画し、リアルタイムで受信して、何か不審なことはないかチェックしているという結論になります。ゴッドフェニックス内の会話の盗聴疑惑といい、どうやら、南部博士は、心配性なのか完璧主義者なのか、諸君の活動の全てを把握しないと気が済まないみたいです。
75話「海魔王ジャンボシャコラ」。竜の親父が遭難したために、竜がポカをやらかしまくる回です。
最初に竜が遅れた時は、
もういい。済んだことをとやかく言っても始まらん。これからは気を付けてくれたまえ。
と鷹揚な態度を見せる南部博士ですが、うっかりしててタンカーと合流し損なったためにタンカーが撃沈されたときは、かなり怒っています。
健、タンカーがギャラクターに襲われているという報告が入ったぞ。お前達は何をしているんだ!早く現場へ急行しろ、馬鹿者。
「馬鹿者」発言は、博士にしては珍しいです。諸君が戻ってきてからも、全員を集めて叱りとばします。
馬鹿者。失敗しましたで済むと思っているのか。君らのやったことをよく考えてみろ。力の限り戦って失敗したのなら何も言わん。それが何だ、ぼんやりして到着が遅れましたじゃ話にもならん。何があったか知らんが、プライベートな問題で任務をおろそかにすることは許さん。それが科学忍者隊の宿命なんだ。世界の安全を任された私の立場にもなってみたまえ。
確かに、戦ってしくじったり、力及ばなかったことについて、南部博士が責めたことはありませんでした。「命令を無視するな」という説教はしていましたが……。「私の立場になってみたまえ」は今回が初めてです。まあ、ぼんやりが原因なら言われても仕方がない状況ではあります。
それでも、何が本当の原因か把握していないことに気付いたのか、南部博士は諸君の様子を立ち聞き。
原因が竜の親父の行方不明にあるとわかって、命令違反して出て行く健をそのまま行かせ、後から、事実上の竜の親父の救助命令を出します。
今、アマナ諸島の近くで漁船が遭難したらしいという報告が入った、諸君は直ちに救助に向かってくれ。今の君達じゃあギャラクターには勝てん。遭難した人達を救助する任務くらいが一番似合っているだろう。そのかわり、今度失敗したら承知しないぞ。いいな。
健は、博士が話を聞いていたことに感づきますが、それはそれとして南部博士ってば何と言うツンデレ……。「べっ、別に竜の親父を救出しろなんて言ってないんだからねっ!上の空のお前らじゃ戦闘なんかできっこなくて、もう救助くらいにしか使えない役立たずってことなんだからねっ!」と頭の中で翻訳され、萌えまくりました。
この後が、「こちら南部だ。実はギャラクターがウラン貯蔵庫を狙って行動を開始したという情報が入った」「頼むぞ……」の呟きの合わせ技。南部博士って一体どんだけ萌えキャラなんだと……。可愛すぎます南部博士。
ツンの方は眉に皺寄せて命令するいつもの姿だとして、デレの方が諸君のやってることを全部把握しようとする方に向かうのが、何とも南部博士らしくて、見ていて堪りません。
Recently:
- 合掌
- 超金属の元ネタはこれか(初代7話)
- 実写版ガッチャマン
- チャット復活しました
- 業務連絡
- 別の意味でもジョーすごいかも(初代 101話)
- 元ネタはMJ?
- 実写映画化ですと
- 小学2年生2月号
- 小学1年生12月号