高校の頃に、”It is Greek to me.”(直訳すると、それは私にとってギリシャ語だ、となるが、口語で「それは私にはちんぷんかんぷんだ」の意味)という言い回しを習いまして。なるほどうまいこと言うもんだと思っていたのですが、今、文字通りの意味でそうなっております(爆)。
Battle of the Planetsのギリシャ語版コミックス(全23冊らしい)を入手しました。ホチキス止め2つ折りの製本のもので、ガッチャマン部分はカラーで、真ん中に違う漫画が入っています。つまり、1冊の本の前の方と後ろの方のカラーページがガッチャマン、という構成なんです。
Battle of the Planetsというのは、初代ガッチャマンのUSでの放映名です。他のタイトルでも放映されましたが、これが一番まとまっていて、知名度も高いようです。銃撃戦の部分が子供向けの規制に引っかかるため、全面カットされ、7-Zark-7という、スターウォーズのR2-D2みたいなロボットが指令を出すシーンが追加で造られ、ロボットバトルを中心に再構成されて放映されました。
その後、Battle of the Planetsはイギリス、フランス、イタリア等ヨーロッパ諸国に伝わったらしく、絵本、コミックス、DVD、おもちゃが各国で発売されました。
ところが。
地中海を渡ってギリシャからイスラエルに伝わる過程で、情報の混乱が起きたようなんです。見た方が早いので、1巻の前半部分を以下に出します。
No.1の表紙です。
表紙をめくると、裏側にキャラ紹介。
似ても似つかない南部博士の姿に脱力。
USでも、放映当時モノのコミックスがあります。このギリシャ語版は、USの当時モノコミックスとは内容が違っていて、Battle of the Planetsの資料に基づいて、新たに描き起こされたもののようです。
月面基地のシーンがありますが、Battle of the Planetsがスターウォーズを意識して編集されたらしいので、地球外での活動は当たり前に登場しています。
三日月基地登場。
指令を出しているロボットが、US版オリキャラの7-Zark-7です。犬型のロボットは1-ROVER-1です。
G4号機の形が違います。変身前の姿?
G2号機は色が違っています。
諸君に指令する南部博士。黒縁メガネで黒髪の、なんか日本人ぽいおっさんキャラにされています。
ところでこの博士ですが、後の方ほど本編に似せて描かれるようになります。23冊通して見ると、絵師さんの上達具合がわかるという、面白いシリーズになっています。
健とジョーのスーツに注目。ガッチャマンIIで初めて設定された、宇宙用のスーツです。この号の後半は、このスーツ姿でカッツェとやり合っているシーンがあります。Battle of the Planetsであれば初代の改変版のはずなのに、IIの設定が混じっているんです。
以前入手したヘブライ語の絵本も、7-Zark-7が居るのに、敵キャラがカッツェではなくてゲルサドラでした。
つまり、ヨーロッパ各国に伝わっている間に時間が経って、地中海を渡る頃には日本でIIの放映が始まってしまい、ギリシャやイスラエルで漫画を出版するために日本から資料を取り寄せたところ、新しいIIのものが届いたということじゃないかと思われます。
なんていうか、世界史の教科書に出てきそうな情報の伝播具合です。
グレンダイザーのせいで、イタリア語、フランス語、アラビア語、ドイツ語は、辞書も文法書も手元にあるんですが、ギリシャ語とヘブライ語の教材はさすがに持っていません。明日上京する予定なので、ジュンク堂でも見てきますかねぇ……。