31話「南部博士暗殺計画」。
最初の方で、ジョーの運転する車に乗ってて襲われるのはまあそんなもんかなという気がするんですが、海底牧場の赤潮の調査に出かけてからがものすごいことに。
まず、ゴッドフェニックスで送ろうという健の申し出を断って、ISOの職員と一緒に出かける南部博士。
いや、国際科学技術庁の調査員と一緒だ。午後の、大陸横断の長距離列車で行く。
甚平によるとリニアモーターカーで時速500キロ以上は出て、こんなのです。大陸横断の長距離列車ともなると、他の乗客が多数乗っていたと思われます。見てわかるとおり、何両もあるかなり長い列車です。東海道新幹線のぞみとかを想像すればいいんだと思います。
退屈な旅行だ、と愚痴った後は、しっかり居眠ってます。ギャラクターに暗殺されかかったばっかりで、赤潮の調査も罠かもしれないと言われていて、覚悟の上で出てきたはずなんですが……。もしかして南部博士って、見かけとは正反対の肝の座り方してます?この状況で眠れる神経ってある意味物凄いんですが。これくらい図太くないと忍者隊の指揮官は務まらないということでしょうか。まあ、ギャラクターに喧嘩売ってる張本人だしなぁ……。
南部博士は先頭車両に乗っていたようです。長官の秘書を装った女隊長がチケットを押さえたのでしょう。先頭車両だけを残して列車を切り離します。
切り離された残りがどうなったかというと、鉄橋の爆発で木端微塵。これで、先頭車両以外に乗っていた一般乗客全員の生存はまず絶望的です。多分、数百人規模で犠牲者が出ているはずです。
先頭車両はどうかというと、南部博士がギャラクター兵士に取り囲まれてホールドアップされており、他に騒ぐ一般乗客も居ませんでした。おそらく、先頭車両に乗っていたのは一般乗客に扮したギャラクター兵士がほとんどで、仮に関係ない乗客が混じっていたとしても、すでに殺されてしまっていたのでしょう。
運転手はギャラクターに殺されていました。この時点で、生き残っているのは、南部博士、健、女隊長、配下のギャラクター兵士だけです。
ギャラクター兵士は健に倒されてしまいました。女隊長は脱出。
先頭車両は、デブルスターが線路を爆破したおかげで、底なし沼へ。
この時点で、先頭車両の生存者は、南部博士、屋根の上の健、円盤で逃げた女隊長の3人だけとなっていました。
シートベルトも無しにリニアモーターカーの速度で底なし沼に突っ込んだのだから、救助されたとしても車内にあちこちぶつかって重傷を負いそうなものなのに、無傷で助けだされた南部博士。博士ってば無意味に丈夫過ぎます。救出は沼の中で行われたのに、スーツもきれいなままなところを見ると、ゴッドフェニックスに乗り移るときの身のこなしも相当良かったのでしょう。Fで、なんでこんなに手強いんだという戦闘能力を見せてくれますが、その片鱗はこのシーンで既にあったということらしいです。
私一人の命を奪うために、罪のない人達まで巻き添えにしたのか。
と言ってます。健と女隊長を別にすれば、博士以外の乗客は全員死亡です(たぶん)。
数百人の死亡者発生のテロで、狙われたISOの偉いさんだけが助かったとなると、マスコミが殺到しそうですね。大統領が乗った航空機を爆破してみたら他の乗客が全員死んだのに大統領だけ助かってたみたいなモンですよ、これって。「なぜあなただけ助かったんですか」「助かった今のお気持ちは?」と、南部博士は質問攻めにされそうです。
まあ、忍者隊のミッションは極秘だし、飛行機と違って列車では乗客名簿を作るわけじゃないでしょうし、目撃者が居ない荒野と沼地ですから、さっさと全員で撤収して、公式発表は「乗客全員死亡」だったのかもしれませんけど。どうせ警察の手に負えないギャラクターが犯人とわかっているわけだから、捜査に協力したってあんまり意味が無さそうですし。
それにしても諸君のセリフがひどいです。
竜「ふうー間にあってよかったわい」
ジュン「全て作戦通りね、うまくいったわ」
甚平「冗談じゃないや。逃げたヤツもいるんだぜ」
数百人規模で巻き添え食らった一般乗客のことは完全スルーですか?南部博士だけ無事なら他はどうでもいいと思っているのが丸わかりなんですが。
そもそも、南部博士が素直にゴッドフェニックスで運ばれていれば、横断列車の乗員は全員死なずに済んだわけです。南部博士に対する直接の攻撃の巻き添えとして、最大の被害が出ているのがこの回ではないでしょうか。結果論を言えば、今回は、来たのがアンダーション長官の秘書に変装した女隊長だったので、ゴッドフェニックスで一緒に送ってもらっていたら、いきなり機密がバレてやばいことになっていたかもしれません。しかし、南部博士に、わざわざISOの職員と一緒に出かける必要があったとは思えないんですよ。アンダーソン長官の秘書が一緒でも調査の打ち合わせをする様子も全くなく、退屈がって寝ているだけでしたし。
次から素直にゴッドフェニックスで送ってもらい、他のISO職員とは現地集合でということにしてもらいたいものです。