F34話「エゴボスラーの策略」。
宇宙パルスのレポートをISOに送ってきたダニエル・シュバール氏に、長官自ら変装して会いに行く回です。しかしエゴボスラーに変装を見抜かれ、先回りしたケンペラーにシュバール氏は殺されてしまいます。そうとは知らない南部長官は、エゴボスラーが変装したシュバール氏と会い、薬で眠らされてとらわれてしまいます。こっそり(のつもりで客観的にはかなり怪しい)格好で5人まとまって長官の護衛のために後をつけてきた諸君は、シュバール氏が殺されていることに気づき、南部長官を救出に向かいます。長官は無事救出されましたが、宇宙パルスのレポートのほとんどはエゴボスラーに持ち去られ、長官の手元には最後の1枚が残っただけでした。
既によねさんが1つ前のエントリーでコメントしているように、ISOには情報部もあるのになぜ長官自ら変装して出かけるのかとか、密かに護衛の筈の諸君が目立ちすぎとか……。それ以外にも、いったいいつの間にシュバール邸の前の巨大な像に鉄獣仕込んだのかとか、どこからどう突っ込んだらいいのか、何とも言いがたい回です。
むしろこういう回こそ、腐女子の視点を通して解釈しなおすと新たな楽しみを見いだすことができるんですよ。さあ皆さん、準備はいいですか、総員腐女子フィルターON!
ある日、ISOの南部長官の元に、分厚い手紙の束(宇宙パルス研究レポート)が届きます。口説きの基本は相手が欲しがる話題を出すことですから、これはまさに、南部長官宛のラブレター。差出人は宇宙物理学者のダニエル・シュバール氏、若い眼鏡っ子↓です。
さっそくラブレターに目を通す南部長官。一撃で一目惚れ。
立場と身分を考えたら、ISO情報部を派遣するとか、諸君に迎えに行かせるとかして、ISO本部にシュバール氏を呼びつけるのが普通でしょう。ところがシュバール氏の「密かにお会いしたい」の一言で、仮にもISO長官が、世界の南部孝三郎博士ともあろう者が、おめかしして↓、たった一人で航空機を乗り継いでお忍びの旅。これはもう、身分の垣根を越えた人目を忍ぶ恋そのものです。
ここで横恋慕したのがエゴボスラー伯爵。普段から南部長官の動向を探っていたあたり、どこから見ても立派なストーカーでした。
南部長官とシュバール氏を会わせてなるものか、と、先回りして、シュバール氏を殺してしまいます。それだけではおさまらず、シュバール博士に変装して南部長官を待っているあたり、偏執狂的な変態趣味が伺えます。
そんなことはつゆ知らず、南部長官はシュバール氏に会います。が、光の加減で変装だということに気づいたところを、エゴボスラー伯爵にガスで眠らされてとらわれてしまいます。
一方こちらはガッチャマン基地。長官単独のお忍びの旅に仰天する諸君。しかし健ちゃんは、「俺が長官の立場にいたら、同じ行動をとったと思う」と長官の恋の道行に同情的です。が、そうも言っておれず、みんなで護衛に出発します。健ちゃん、典型的な尽くすタイプです。他所の男の処に通うような浮気性なヤツであっても心配して面倒見にいくという……。
こちらは、恋敵のシュバール氏を出し抜いて南部長官をゲットして大満足のエゴボスラー伯爵。ストーカー男がターゲットを無理やり家に連れ込んだ、といったところでしょうか。南部長官、いきなり貞操の危機です(爆)。
こんな怪しいストーカー野郎に南部長官を連れ去られて黙っている健ちゃんではありません。
南部長官は俺のものだっ!と、南部長官が囚われている鉄獣の中に乗り込みます。壮絶な南部長官争奪戦が展開されます。
南部は俺のもの、とエゴボスラー伯爵。
お前なんかに南部長官は渡さないぞ、と実力で奪い返す健。
「ウチの人を返しなさい。ここに居るのはわかってるのよ!」と、台詞まで響いてきそうです。
南部長官、二人に言い寄られて大人気というかモテモテです。
ストーカー男にいじめられてダメージを受けてる南部長官を支えて連れ出す健。
それはもう大事に抱きかかえています。
そんな健ちゃんの心を知ってか知らずか、南部長官はシュバール氏の遺品をずっと握りしめたまま。
その上、「ダニエル・シュバール。私は生きている君と会いたかった」とつぶやきます。
南部長官は亡くなったシュバール氏のことを片想いしたまま。こんなに尽くしたのに、健ちゃん、結局南部長官に振り向いてはもらえませんでした。故人がライバルでは、時が解決する以外にほとんど勝ち目はありません。なんて切ない……。
とまあ、こんな具合に読み替えると、昼メロの世界が見えてくるんですよ。いや〜腐女子フィルターは偉大だわ。