上司と部下(初代84、86話)
南部博士とデーモン博士の争い(初代 84話)
南部「これは、国際科学技術庁を中継しシークレット回線に入ってきた、ある男からの電話を録音したものだ」
南部「デーモン博士」
南部「緊急の用件?」
健「博士、これはギャラクターの仕組んだ罠かも」
南部「そうかもしれない。しかし、私は彼を信じたい。彼は優秀な科学者だ。公害で汚れきったこの地球を、元の緑豊かな世界に作り直そうと、国際科学技術庁が設立された。その時私は彼とともに、重要な地位の候補に挙げられ、どちらか一人が選ばれることとなった。だが彼は次点で落選し、それ以来、我々の前から姿を消してしまった。デーモン博士は世界の平和を裏切ることの恐ろしさを誰よりも知っている男だ」
健「博士、行くのですか」
南部「行く。どっちにしろ、手掛かりはつかまなければならないからな」
健「それなら、俺達も一緒に」
南部「君達は、私の指令があるまでここで待て。私は一人で行く。男の約束だ」
南部「ん、気のせいか……」
南部「何、スモッグファイバー?」
南部「一体誰だ。君にその殺人兵器のテストを命じたのは」
南部「そうか……」
南部「デーモン、君は天才だ。だがその才能が君の良心を破壊している。いいか、目覚めるんだ、デーモン」
南部「何てことを言うんだ、デーモン」
南部「何と」
南部「お、君達いつの間に」
南部「逃げろ、カメラで狙っているぞ」
健「博士、危ない」
南部「あっ!」
ジュン「お怪我は」
南部「大丈夫だ」
健「博士、すいません。俺達が勝手に行動して……」
南部「うん、済んでしまったことは仕方がない。それより、ギャラクターの新しいメカが暴れ出した。何とか手を打たないと。といっても、科学忍者隊が素顔を知られたら、行動しにくいが」
南部「もうよい。私もデーモン博士を信じていたのだ」
南部「そのかわり、メカを強化すればよい」
南部「私に、考えがある」
南部「南部です」
アンダーソン「アンダーソンだ。たった今、国連本部から連絡が入った。明日再び食糧を大量に空輸するそうだ。これ以上、ウェール国国民が飢え死にするのを見ているわけにはいかない。日に200人もの死者が出ているんだ。ところで、科学忍者隊が大きなダメージを受けたそうだが?」
南部「ええ、正体を見破られました」
アンダーソン「なに」
南部「しかし、科学忍者隊が破れたわけではありません。従って、スモッグファイバーを叩くことはできます」
アンダーソン「よし、君からの指示を待って、空輸編隊を離陸させることにしよう」
南部「わかりました」
南部「スモッグファイバーは、強力な電気を発生する武器だ。君達のバードスタイルも、相当な電流に耐えられるが、それ以上の強力なものだ。そこで、G4号のヘリコバギーに強力電子膜を張っておいたから、諸君はこれを使ってスモッグファイバーを破るんだ。たくさんの人々の命がかかっている。頼むぞ諸君。」
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