アンダーソン「南部博士」
南部「は、長官」
アンダーソン「これ以上真相を隠し続けることは難しいんじゃないのですか。各国からの問い合わせもうるさいし」
南部「いえ、真相の発表は止めてください。パニック状態を引き起こすだけです」
アンダーソン「しかし南部博士、我々が待っていても、いずれはギャラクターから全世界へ向かって降伏の呼びかけがあるはずだ。その時世界中の人々はどう思うだろうか」
南部「おそらく私達は全ての信用を失い、地球はギャラクターに支配されるでしょう
アンダーソン「恐ろしいことだ、地球を消す方法があったとは」
南部「まったく恐ろしい相手です。我々科学者の研究でも、ニュートロン反応があることを突き止められても、その反応を起こす分子が何であるかはわかっていませんでした。それを、ギャラクターは……」
南部「いえ、総裁Xは知っていた。もしニュートロン反応により、地殻がコアに向かって動き始めれば、一瞬にしてこの地球は消滅してしまいます。しかし、彼等が欲しいのは地球です。その地球を破壊するはずがありません。ベルクカッツェが行動を起こす前に、本部に潜入した科学忍者隊が、何らかの手を打つはずです。彼等を信じて、待ってください」
南部「科学忍者隊の目の前で、総裁Xが地球より逃亡した。同時刻、宇宙ロケットより、大気圏から宇宙に向かって飛行する、細く長い鉛筆のような光る物体を見たとの報告がありました」
記者「南部博士、すると総裁Xの正体は宇宙人だったということですか」
南部「わかりません。光る物体はロケットで、その中に宇宙人が居たのか、それとも、その物体自体が物を考え、人を動かす生命であったのか、あるいはコンピューターであったのか」
記者「これで地球は救われたんですね。平和が来るんですね」
南部「それもわかりません。ギャラクターは確かに自滅しました。しかし皆さん、考えてください。ギャラクターのように、悪魔的な、破壊を好む心は、私達の、あなたたちの心の片隅にも眠っているのではないでしょうか」
記者「博士、科学忍者隊はどうしていますか」
南部「彼等は今日も飛んでいます。私達の平和を守るために」
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