7月
24
2010
|2010/7/24(土曜日)-13:51| カテゴリー: 蒐集
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2ちゃんねるスレタイ風のタイトルにしてみました。
ギリシャ語版Battle of the Planetsのコミックスからです。既に紹介したように、このコミックスは全23巻らしいです。
初代の改変版のはずが、一部IIの設定が混じったりしていて、なかなかアレな本です。ところで、絵を描くにあたって、諸君のバードスタイルは、ヘルメットやバイザー、マントがあるからそれなりにごまかしがききます。ギャラクター兵士やカッツェも、仮面をつけていますから、やっぱりごまかしがききます。ごまかしがきかないのは……そう、南部博士です。
ギリシャ語版の南部博士、完全に別キャラで登場するんですが、途中から急に似てきます。それを追って見ました。
まず、No.1。
黒髪でスーツの形も違います。
No.2。
ベストを着た状態で登場、少し近づいたか、と思いましたが、すぐ次のコマで白スーツに。塗り忘れか?
No.3。
元にもどっちゃいました。
No.4。
再び眼鏡とヒゲ以外に共通点が無いキャラに。
No.5には登場しないので、No.6より。
眼鏡を外した姿ですが、本編の渋くてカッコいい姿とは似ても似つかない、ただの間抜けなおっさん顔です。
No.7。
なぜかこの回、眼鏡の水色塗りつぶしが濃いです。
No.8。
眉毛の形が多少似てきたか?
No.9。
キャラの特徴を箇条書きにしたリストを見て勝手に描いたのか、という姿です。
No.10。
ベスト着用は合ってますが、ヒゲの形が左右にわかれる感じに変更。
No.11。
この回もヒゲが分かれる形に。なぜ?
No.13。
また似てない方に逆戻り。しかも、無意味に眼鏡が無いコマがあるし。
No.15。
グラサンだし目付きは悪いし……。
ところが。
No.15では登場しないんですが、No.14とNo.16の間に一体何が会ったのかと思うほど劇的に変わります。
前髪の分け方とか跳ね具合、髪の色、ヒゲの形ともに一気に本編に近づいています。2枚目の横顔とか、南部博士の雰囲気がきっちり出ています。むしろ、No.14以前とそれ以降で全くの別人キャラです。
当時このコミックスを読んでいたギリシャの人たち、戸惑わなかったんでしょうか。
とりあえずNo.16です。
本編に似せようとした努力のあとが判るNo.17。
眼鏡の蔓は相変わらずありますが、それでも目の感じとかを真似てきているのがわかります。
No.18。
カラーリングは違いますが、スーツの形なども本編通りに固定(?)されたようです。
前髪の部分もだいぶ安定してきました。
No.19。
ゴッドフェニックスへの通信。ほぼテレビ本編通りで、眼鏡の蔓もなくなりました。
No.20。
服のカラーリングも近づいてきました。顔立ちはTV版前半の南部博士です。
No.21。
いい感じですねぇ。横顔、正面ともにまさに南部博士!うまい!
No.22。
正面からのアップ、まあイメージは合ってます。本編でも作画がアレな回もありましたし。
No.23。本編初期のころに似せて描いたというのがよくわかりますが、眼鏡は蔓ありに。
No.14までは南部博士の説明は文字で適当に指示があっただけで、No.16以降はビデオを見ながら描きました、ってオチかと思えてきます。しかし、No.1ですでにIIで登場する諸君の宇宙仕様のスーツが登場しているわけで……。作画資料、もしかして南部博士の分だけ無かったりしたんでしょうかねぇ……。
7月
23
2010
|2010/7/23(金曜日)-23:14| カテゴリー: 初代
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105話「地球消滅!0002」
ブラックホール作戦のことを発表しないでおこうとする南部博士です。
アンダーソン長官から、
これ以上真相を隠し続けることは難しいんじゃないのですか。各国からの問い合わせもうるさいし。
と言われて、
いえ、真相の発表は止めてください。パニック状態を引き起こすだけです。
と答えているシーン。右側の前髪がしっかり跳ねてます。隠す気まんまんなのを表しているというか。
この回の南部博士、目鼻立ちもはっきり描かれていて、瞳も大きめなので迫力があってかっこいいです。
こちらは、すべてが終わって、テレビカメラの前でインタビューに答えているところです。
左ポケットの赤色のハンカチではなくて、内ポケットから白色のハンカチを取り出しています。
ハンカチは2枚常備でしょうか>南部博士。
ISOの方針として、ブラックホール作戦のことを公表せずに対処して、無事に食い止めたのですから、この記者会見を行うのはアンダーソン長官の役目のはずです。南部博士が答えてもいいのですが、隣に長官が居ないとおかしい。しかし、南部博士が単独で会見しています。
かなり危うかったですが、南部博士の指揮で地球はどうにか無事でしたし、アンダーソン長官は「もう勝手にしてくれ、南部博士」と思ってたのかも……。IIの前半で妙に態度がでかかったんですが、このあたりからその傾向はあったのかも。
7月
22
2010
|2010/7/22(木曜日)-22:12| カテゴリー: 初代
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104話「魔のブラックホール大作戦」。
ギャラクターの作戦で地球消滅の危機だと悟った南部博士。
いろいろ解説してくれるんですが、目を閉じているシーンが多いので選んでみました。
目を閉じてもイケメン南部博士なのでついつい見とれてしまいます。かわいいなぁ……。
いや、信じられないのも無理はない。落とし穴といっても、凝縮された引力だけが残り、そこへ近付いた流星などが吸い込まれるというのだ。これは、世界的科学者アインシュタイン博士が実際に宇宙に存在すると言っている事なんだ。
映画では、小隅センセによって、アインシュタインではなくオッペンハイマーだと訂正されましたが、TV本編はアインシュタインのままになっています。
実際には、オッペンハイマーより先に、シュバルツシルトがアインシュタイン方程式の解から導きだしています>ブラックホール。地球程度の質量だとブラックホール化は難しいし、できたとしても、成長できませんから、いつまでも残ったりせず、今度はホーキング輻射でさっさと蒸発して終わりそうです。……姿を消すことに変わりはないか(汗)。
こんな恐ろしいことができるのは、ギャラクターしかあるまい。
頭抱える南部博士。やっぱりまだウブでした(違)。
世界各地の被害状況はわかったが、一体どの地点で核爆発が行われたのか、まだわからんのか。
うん、早くコンピューターで割り出すんだ。手遅れになったら一体誰が全人類に言い訳をするんだ。早くせんか!
……お言葉を返すようですが、この場合、手遅れになったら地球も人類も姿を消すので、言い訳を聞かせる相手が居ないと思います、博士。言い訳の心配はしなくても良いかと。
ブラックホールって命名は1967年ですから、この回が作られるだいぶ前ですね。
7月
21
2010
|2010/7/21(水曜日)-22:57| カテゴリー: 初代
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ジョーの不調が明らかになる103話。
でもって前髪で語ってくれる南部博士。
ジョーの命があと一週間か10日だと連絡を受けて、前髪が落ちてます。
被害状況読み上げ。
一応仕事中で、右側がそれなりに跳ねてます。
具合悪そうなジョーを見てしまって次の指示が出てこない。心ここにあらず、といった感じ。判断の早い南部博士にしては珍しいシーンです。右側はさっきより下向き。
ゴッドフェニックスに向かってジョーに逃げられましたの報告。
アニメにおいて触角頭&アホ毛キャラが確立したのはもっと後ですが、既にその片鱗があったような気がします。
7月
20
2010
|2010/7/20(火曜日)-23:16| カテゴリー: F
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F42話「南部長官の最期」。
南部博士ファンとしてはヽ(`Д´)ノウワァァン!!な回なんですが、見ているうちにどうも引っかかることが。
まず、南部長官ですが、致命傷を喰らう前に腕を撃たれています。その後、胸だか腹だかを撃たれたのが致命傷です。タツノコアニメのポリシーとして出血が直接描かれないために、どこを撃たれたかはっきりしません。
ただ、一発目の腕をずっと庇ったまま二発目が命中しているわけで、左腕を抑えた右腕は、図の通りの姿勢を取ればわかるように、ほぼ心臓の上を覆う形になります。ですから、二発目は心臓直撃ではないはずです。
健が駆け寄って抱き起こします。
南部「健」
南部「健、宇宙パルスの正体は、おそるべき反物質……」
健「いけない、しゃべったらいけない」
南部「反物質小惑星と、それを作り出している7つの宇宙ステーション」
南部「地球を、みんなで、た、頼む……」
これだけ話をする間、南部長官、意識はあったわけですよ。
話し終わって南部長官、がくっと力が抜けます。
健、そのままそっと南部長官を床に寝かせて大激怒。エゴボスラーを追い掛け回します。残りの諸君はギャラクター兵士と取っ組み合い。
つまりこの間、南部長官はそのまま床に転がされていたようです。
その後、鉄獣を破壊して南部長官をスパルタンに回収。スパルタンは不時着して、諸君が取り囲んで泣いてるし健は感傷に浸ってるし。
さて、USAの場合ですが、銃がらみの事件でERに担ぎ込まれた人の死亡率は5%、その後入院して死亡したのが8%という数値があります。
エゴボスラーの銃、どう見てもルガーP08です。ということは、9mmパラべラムで撃たれたと考えるべきでしょう。こいつで撃たれて暫く話ができる状態だったということは、中で傷が広がっていたとしても、止血して急いで病院に搬送すれば、助かったかもしれないわけです。来院時心肺停止でも、向こうの世界の科学技術は結構進んでるみたいですから、何とかなったかもしれません。
ところが。
健は心肺停止もろくに確認せずに南部長官を放置してエゴボスラーと追いかけっこ。抱き抱えて手袋の上から片手を握ってただけで、脈もろくに見ないで「長官死んじゃった」と思い込んでました。残る4人はというと、ギャラクター兵士と取っ組み合ってて、誰一人南部長官が本当に死んでるかどうかの確認をしていない。出血がひどくなって健に抱かれたまま失神したのだとしても、南部長官は暫くは生きていた可能性が高そうです。南部長官、声には出せないけれど、きっと「戦闘は後回しでいいからまず止血して病院に運んでくれー!」と思っていたに違いありません(爆)。しかし、諸君は、止血も蘇生法も行わずに南部長官を放置。
南部長官が諸君に応急処置のやり方を叩き込んでおかなかったのが今回の本当の敗因かもしれません。
2人くらいで止血と蘇生法をやりつつ残る3人で戦いながら全速力で退却、スパルタンで最寄の病院に搬送する、というのが、最も南部長官が助かる可能性が高い行動だったのに……。手当が早ければ早いほど助かる確率も上がるのに……。医師免許持ちの南部君、諸君の教育を間違えた模様です。
しかも諸君ときたら、鉄獣を破壊した後、スパルタンを不時着させて全員で長官を取り囲んで泣いてます。これでますます手遅れになって、完全に南部長官に止めをさしたのではないかと思われます。仮死状態でもこんな扱いだと完璧に死ぬわな。しかも諸君は、自分たちのせいで手遅れになったとは全く気づいてないみたいです。( ノ∀`)あちゃー。
7月
19
2010
|2010/7/19(月曜日)-11:58| カテゴリー: F, 考察や議論など
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7月
19
|2010/7/19(月曜日)-11:54| カテゴリー: II
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※この記事は日記帳に書いていたものの再掲です。読みやすくするためこちらにまとめておきます。だいぶ加筆修正しています。
ガッチャマンII37話。甚平が、探知機をラッキー山脈のISO秘密研究所に運ぶ任務の途中で、ピューマの子供を助けたために研究所が壊滅します。小動物などを助けて任務失敗で被害拡大、ってパターンは何回かあって、甚平がやってくれることになっています。捨て猫や捨て犬を家に持って帰った経験のある子供は多いと思うので、多分、そちらからの感情移入を狙った演出かもしれません。
南部博士が部屋に入ってくるシーンもチェックポイントです。
まず、部屋内部のパネルの赤ランプが点滅します。
その後、諸君が居る部屋に南部博士が入ってきます。文字が省略されていますが、ドア上に半分くらい見えているグレーの板が、ランプ付きの表示板と思われます。また、背後に見える廊下のデザインがよくわかります。
南部「諸君。緊急事態だ。地震で破壊されたISO研究所で、サリンガスが漏れる恐れのあることが判明した」
健「サリンガス?」
南部「うむ。神経性の有毒ガスだ。万が一にも備えなければならないが、サリンの中和剤になるオキシム型の解毒剤の製造が間に合わんのだ。その上、研究所の被害の程度もよくわからん。直ちに、調査にあたってもらいたい」
ナレーション「国際科学技術庁のラッキー秘密研究所。ここに貯蔵してあった薬品類が、化学反応を起こして有毒ガスサリンが発生しようとしていた」
サリンが日本でポピュラーになったのってオウム事件以後だが、この回の放映は1979年6月10日。これ以前に知られていたとしたら、ナチスが第二次大戦中に量産していたということからでしょう。
Wikipediaによると、
1960年代にロッキーマウンテン兵器工場で大量のサリンを生産している。このサリンは一度も使用されることが無いままロッキーマウンテン兵器工場の倉庫に保管されていた。そして、1970年代になると全て廃棄処分された。
とあります。ガッチャマンでは実在する地名を微妙にもじった名前を使う傾向がありますので、むしろこちらを元ネタにして作られた話かもしれません。
ところで、上で引用したシーンで何事もなく南部博士が登場していますが、アニメで見せてないところで実はものすごいことになってたんじゃないかと思います。33話の最後の方で、ISOの偉いさん達が会議してるシーンがあって、メンバーが、ギャラクターの地震攻撃を食い止められない忍者隊は何をしているんだと南部博士に詰め寄るシーンがあります。ちゃんと仕事をしていてもその扱いなのだから、任務途中放棄で研究所一つ壊滅の上有毒ガス発生でさらに被害拡大なら、南部博士がどう吊し上げられるか推して知るべしで、指令を出しに部屋に戻ってくる前の会議場での説明が大変だっただろうという……。「会議ばっかりやってて現場には来ないくせに現場の仕事ぶりを責める大勢の偉いさん達」vs.「実働部隊の指揮官であることが権力の拠り所になっている南部博士」の構図になってて、しかも指揮官としては実働部隊の士気を下げるようなことはできない、という状況が見えてるわけです。
そういうのが積み重なって、Fあたりで「もう面倒なので自分で長官やります」って展開になり、さらに面倒を背負い込んだ感がなきにしもあらず……。
7月
18
2010
|2010/7/18(日曜日)-20:16| カテゴリー: 初代, 蒐集
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「科学忍者隊ガッチャマン&新造人間キャシャーン豪華カードアルバム」(ひばり書房、1975年8月25日発行)より。
ひばり書房といえば、「ガッチャマンカラー大図鑑」の刊行元で、アレな形のギャラクター本部が登場することで今になって笑いをとっていますが……カードアルバムに於いてもその路線は健在でした(爆)。
制作:竜の子プロ出版部、資料:竜の子プロ企画文芸部、協力:竜の子アニメーション映画 ガッチャマン班・キャシャーン班、と、竜の子が全面協力したその成果を御覧ください。
これが、カードアルバムのギャラクター本部だっ!
相変わらずの形です。どうも、この形のギャラクター本部はひばり書房独自のもののようです。大図鑑が2色刷りだったのに対し、こちらはカラー印刷なだけさらに派手さを増しています。
アレなのは敵側だけかと思ったら、正義側でもさりげなくやってくれてます。
全体の形やバランスや設備の大きさの比率がアニメ本編と違っているのは、まあ、当時の子供向け資料ということで納得できます。絵の方は可もなく不可もなくといったところでしょう。原子炉の真上に住むのはどうかと思いますが、ガッチャマンの世界では原発とか核には現在ほどのマイナスイメージ(廃棄物の処理がどうにもならないとか)が無いんですよ。70年代だって原子力関係の技術には問題山積みだったわけですが、技術が進めば未来には問題は解決されるだろう、と、楽観的に考えられていたみたいです。
しかし解説が……赤線部分を見てください。北極や南極に珊瑚礁が出現したら、それだけで異常事態です。怪しいとか目立つってレベルじゃありません。ギャラクターでなくたって調査団を送り込みますよ。この三日月基地の運用、まわりに珊瑚礁があるようなところでしかできないと思うのですけれど。
レッドインパルスの解説も相変わらずです。
健の父親が死んでから、戦闘機が新型に変わったりしましたっけ?秘密基地は山奥じゃなくて南の島のどこかだったはずですが……。
マジンガー系だと、カードやらアルバムやらの情報は文芸資料として使えるのですが、竜の子のガッチャマンはどういうわけか、プロダクションが全面協力しているのに珍品が続出するという、別方向に楽しい状態になっています。
7月
17
2010
|2010/7/17(土曜日)-22:55| カテゴリー: F, 考察や議論など
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F10話「危うし!ガッチャマン基地」は、アクション南部長官を堪能できる回です。
ヴィッテンドルフに操られた南部長官と諸君で銃撃戦、という展開なのですが、シナリオと演出の違いでなかなか興味深いことがわかったので、まとめてみます。
まず、シナリオデータはこちら。
本編では、日が暮れた直後くらいにISO本部前からヘリで飛び立つ南部長官&係官ですが、シナリオでは早朝出かけることになっています。
本編では、射撃訓練場で甚平がブレスレットを落として壊すシーンがあります。ここで壊してしまったため、夜、甚平は部屋でブレスレットの修理をすることになり、その時、南部長官を操っている針の影響でブレスレットが赤く光ることがヒントになって、後で南部長官を操っている眼鏡の異常に気づく、という展開になります。一方、シナリオでは、甚平がブレスレットを壊すシーンがありません。このため、南部長官が起きだして暴れ始めた時、甚平は寝ています。南部がお父さんだったら……のような、ほのぼのとした内容を寝言で呟いています。
格納庫で暴れる南部長官が、梁の上に飛ぶシーンは演出で追加されたもので、シナリオにはありません。派手な演出のおかげて、さらにアクション南部君を楽しめる結果になっています。
シナリオの銃撃戦のシーンは、積極的に南部長官に銃を向けるのが健とジョー、南部長官をかばうのが甚平、という役割です。本編では逆で、撃つのを躊躇うジョー、手出しできずに肩をかすって撃たれる健、眼鏡の異常に気づいた甚平と南部長官で一対一の銃撃戦をしており、シナリオとは逆の役割が振られています。
最後に眼鏡を飛ばすシーンですが、シナリオではスワロートップで南部長官の眼鏡を狙って落とし、蔓が裂けて針が出る、となっています。つまり眼鏡は破損するんですね。本編では、甚平が銃で眼鏡を撃ち落とします。針はくっついていますが、眼鏡は無傷です。やたら頑丈な南部長官の眼鏡は、演出さんによるものでした(笑)。
射撃訓練場で、甚平だけが銃ではなくスワロートップで遊んでいたので、南部長官を救うのもスワロートップにした、というのが脚本の意図だったのかもしれません。ただ、一対一の銃撃戦の方が派手で燃える展開ではないかと思います。
シナリオでは、基地に入る際にX線検査があることになっていて、検査をすっ飛ばした南部長官が鴨技師長に説教(!)されています。このシーンは本編ではカットされています。このシーンがあったとしたら、検査をしても、検査に引っかからないほど小型の機械で本人が操られるということになり、厳しい検査すらすり抜けさせるギャラクターの恐ろしさがより一層際立ったことでしょう。また、鴨に言われて素直に従う南部長官という、決めたことは守るという姿勢を演出することもできたかと思います。長官だからといって自分を特別扱いはしない、というのが出ると、南部長官の魅力が増したかなぁ、と思うと、カットされたのはちょっと残念ですね。
ガッチャマン基地の扱いについて。映像では、崖の中腹の岩が開く出入口があって、内部を繰り抜いて作った空洞内に基地の建物がある、という構造です。一方、シナリオでは、フィヨルドの中で霧に閉ざされる形で隠されているというイメージです。基地は海の上にあることが想定されていて、南部のセリフに「海のもくず」というのが出てきます。実は、後の回で、ガッチャマン基地の位置を示す地図が出るのですが、スカンジナビア半島のノルウェー海に面した地点が示されていました。地名については架空のものが使われますが、陸地の形状は現実の地球にほぼ対応しているのが、初代から続くガッチャマンの設定であることを考えると、ノルウェーのどこか、という設定は早いうちにあったと思われます。ただ、場所が海の上なのか地中なのかということについては後から決まったのかもしれません。つまり、このシナリオが書かれた時点では、脚本家に、「基地はノルウェーのフィヨルドのあたり」ということしか情報が伝わって無かった可能性があります。地中とわかっていれば「海のもくずとなる」がセリフとして出てくることはありえませんので。
X線検査のシーンはあった方がリアリティを増したかな、と思います。この部分はシナリオの方を評価したいです。格納庫での銃撃戦は、アクション南部君を堪能させてくれる演出さんに座布団を差し上げたいです。
7月
17
|2010/7/17(土曜日)-13:40| カテゴリー: 初代, 考察や議論など
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英語版のガッチャマンは、2005年から出たcomplete boxシリーズが日本語版の完全な吹き替えなんだけど。
1話のタートルキング内で竜巻ファイター直前で名乗りを上げる健のセリフが、
We are Gatchaman.
だという……。これだと5人まとめてガッチャマン、てことになるんじゃないか。
カッツェ様の声は日本語オリジナルほど中性的じゃないし(高音が足りない)、総裁Xの吹き替えは低音が足りない気が。
7月
16
2010
|2010/7/16(金曜日)-22:36| カテゴリー: 初代
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102話「逆転!チェックメイトX」。
この回の後半は、科学オタク南部君の面目躍如といったシーンの連続です。
カッツエに拉致された南部博士はこんな調子で、何だか平然としています。
うむ、狙いは私の命か。
そうか、それは残念だな。やっと君の正体を掴んだのに
この1ヶ月、書斎に閉じ籠もり他の仕事を一切断り、苦労したのに、発表できずに殺されるとは残念だ。
ジョーが鉄獣の目を破壊してG2号で突入したのを見て、
ベルクカッツェ、私にはまだ運がついているようだ。どうやら私の研究発表もできそうだ。
命の心配より研究発表の心配ばっかりしている南部博士です。
これからやってくる忍者隊の変身をメガザイナーで解くつもりのカッツェ、南部博士を透明な壁の向こうに閉じ込めます。
ジョーが撃たれたのを見た南部博士、しょんぼり……。
ジョーを追って健達もやってきます。気が付いたジョーがメガザイナーを撃って爆発させ、透明な壁も割れてしまいます。
手前に居たら、破片を浴びて流血のところ、素早く椅子の後ろに隠れて無事な南部博士。
逃げ足早っ!
ネクタイと上着を整えながら出てきます。
オシャレへのこだわりが……。スーツはびしっとしてないとイヤなんですね南部博士は。
カッツェの仮面を剥がそうとしたジョーに向かって、
やめろ、ジョー。私にはカッツェの正体はわかっている。素顔を見てどうなるものでもない。
とたしなめます。
片手をポケットに入れて、講義でもするような調子で話し始めます。
ベルクカッツェ、ある時はギャラクターの女隊長。だが、女でもない。一人の肉体に男と女が入り込んだミュータントだ。元々は、男と女の双生児の兄妹として生まれるはずであったが、何か特別の力が働いて、雌雄同体の一人の人間として生まれてしまった。知能指数が異常に高かったのもそのためだ。天才でも何でもない。二人分の脳細胞を持っていただけだ。
カッツェの謎がわかったので博士としては一応満足しているようです。一ヶ月集中して出した成果を誰かに話したくて仕方が無かったのでしょう。相手がカッツェでも。
幼い頃は、1年ごとに意思とは関係なく、男から女、女から男へと肉体が変化したために、世間の目を恐れて、住む場所も学校も変えていた。だが、今やカッツェは自分の意思で男にも女にも変身できる。ただ一つわからないのは、ベルクカッツェ、何が原因でお前の体が突然変異を起こしたのかだ。核爆発による放射能のためか。そうだとしたら、科学者である私にも責任の一端はあるだろう。だが、君の生まれた土地は、昔も今も非戦闘地区だ。放射能のためとは、私には考えられない。双生児として生まれるはずの兄妹を、1個のミュータントに誕生せしめたのは、何が原因なのだ。
南部博士の興味は、カッツェの素顔よりも、なぜミュータントになったかという理由の方でした。自分の興味を追求して語りまくります。表情は活き活きしてるし目は輝いてるし……。博士の趣味がよくわかるシーンです。
総裁Xに助けられてカッツェは逃げてしまいますが、一応の成果があったので南部博士としては満足したのでしょう。いい表情してます。
自分の命よりも研究内容の方ばっかり気にしていて、わかったことは誰かに話さずにいられない南部博士の性格がよく分かる回でした。
南部博士の科学オタクっぷりが炸裂しているというか。
7月
15
2010
|2010/7/15(木曜日)-22:19| カテゴリー: 初代
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102話「逆転!チェックメイトX」
98話に続いて南部博士の書斎登場。
アール市を鉄獣が襲っても出動命令は来ないは、南部博士と連絡は取れないは……。
甚平「おかしいなあ、博士は外出するとき小型無線機を持って出るはずなのに」
アンダーソン「ああ、科学忍者隊。やっと連絡がとれたか」
アンダーソン「博士はこの1ヶ月ばかり、国際科学技術庁にも顔を出してはいないのだ」
アンダーソン「君達が、南部君の命令がなくては動けないことは知っている。しかしガッチャマン……」
健「わかっています。南部博士には後から承諾をとります」
ところが南部博士は、自分の別荘の書斎にひきこもってた模様。
98話でははっきりしなかったのですが、上の図と合わせると、南部博士の書斎は別荘の赤い屋根の最上部、尖っている部分にあることがわかります。
レイアウトは98話と同じですが、机も部屋も広く描かれています。
N「一方南部博士は、外部からの連絡を絶ち、研究を続けていた。それは、以前博士が手に入れたベルクカッツェらしきギャラクターの女隊長に関する記録の解読であった。知能指数280、1年ごとに転校を繰り返し、あるときは男に、またあるときは女になって現れた1学生の正体を、今、やっと突き止めたのである」
資料検討中の南部博士。
焼け残った記録を眺めています。
考え中。こういう博士もかわいいです。
多分、1ヶ月ずっとこうやっていたのでしょう。誰にも会うつもりがなく、無線機までOFFにしているのに普段の通りのスーツ姿だというところに、博士のこだわりを感じます。
1ヶ月も職場に顔を出さないと普通はクビにされそうですが、ISOの研究者ですから、在宅で仕事をすることも認められていたのでしょうね。アンダーソン長官も、出勤してこないことを咎めているようではありませんでした。
今回、諸君は、スナックジュンに居たり、ジョーはトレーラーハウスを拠点にしていたりという感じです。基地がなくなって、別荘が基地の代わりかと思ったのですが、そういうわけでもなさそう。南部博士からの招集あるいは事前の許可が無い限り、別荘を自由に使えるというわけでもないみたいです。もしくは、別荘には入れるけど、最上階付近の南部博士専用のスペースには、呼ばれない限り入れないとか……。
しかし、ギャラクターにはしっかり監視されていて襲撃を受けます。
最初のシーンと、他の回の別荘登場シーンを考えると、南部博士の書斎の窓のある方向って、海側じゃないかと……。すると、ギャラクターが一体どこから監視していたのかが謎です。
ガラスを割られたのでとりあえず部屋の中で被害を避けようとしますが、この後、別荘から連れ去られます。
監視されているのなら、窓を閉めてひきこもっていた方が安全だったかも。
7月
14
2010
|2010/7/14(水曜日)-22:45| カテゴリー: 初代
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101話「狙撃集団ヘビーコブラ」。
ISO本部ビルの映像をバックに立つ南部博士。普段より寝癖ついてる?
背後の本部ビルはシーンによって見ている角度が変わるので、本部ビル近くからの中継映像と思われます。
メガネを外す南部博士という珍しいシーンが。
何だかお疲れのご様子。
今回は、ISO本部ビルが盗聴されているのにどこから仕掛けられているかわからない、という話です。さんざん対策に走り回っていたに違いないです>博士。
せっせとメガネを拭いてます。ほとんど目を閉じているように見えるんですが、見ないできれいに拭けるんでしょうか。
メガネ外しても渋いです。拭いてる仕草はかわいいし。
メガネをかけつつ、赤いハンカチを胸ポケットに入れてます。
目を開ける。
メガネ外してるのって、初代だとこのシーンだけ。IIだとパンドラ博士に撃たれて眠らされていた時がメガネ無しで、Fは洗脳用の針を撃たれた後で寝ている時に自分でメガネを外していたのと、甚平に撃たれてメガネを飛ばされたシーンくらいです。
Fを見た時、メガネを外すと寝てしまって、メガネをかけると起きてくるので、ひょっとしてメガネが南部博士のスイッチになってるんじゃないかと思ったのですが、初代のこのシーンもそんな感じ。さすがに寝てませんが、メガネを外すと目を閉じて、メガネをかけると目を開けてくれるという……。
7月
13
2010
|2010/7/13(火曜日)-23:22| カテゴリー: 初代
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100話「20年後のガッチャマン」
南部博士の説明から始まります。今度は、ブラインドのある別の部屋で、スライドの投影機も違う形です。別荘どんだけ広いんだ>南部博士。
諸君も知っての通り、わが国際科学技術庁は、地底のマグマやマントルから、無公害エネルギーの開発を研究してきた。そして先ごろこの地底マントルを1箇所に凝縮させて爆発させることができるという、方程式を見つけ出した。それを開発したのが、この、国際科学技術庁の物理学メンバーの一人である、マキシム博士だ。
今回の作戦の背景が南部博士によって語られます。
だが、その凝縮されたマントルを戦争に使用されたら、原爆や水爆以上のエネルギーにより、一瞬のうちに人類を滅亡に追い込むであろう。
原子力を発見した多くの有名な物理学者も、それを戦争に使うために研究したのではない。人類の幸せのために研究したのだ。それを、浅はかな人間どもが戦争に利用した。我々はその悲劇を2度と繰り返したくない。そこでその方程式のデーターは、北極海の底に沈めることにしたのだ。
うむ、そのデータは、一種の磁気作用による完全記録装置を通じてマイクロフィルムに記録されている。そのため、火にも強く、普通のテープレコーダーのように、簡単に磁気を消すことはできないのだ。
前回にひき続いてちょいとお宅拝見。窓のある部屋で、スライドの装置は机の天板の中に収納される形です。これまでに出てきた部屋とはレイアウトが全く違っているので、またしても新しい部屋登場です。
その後、健に指令を出します。
健「なるほど、磁気現象のある北極海に沈めておけばデーターは自然消滅するというわけですね」
南部「その通りだ。そしてその任務を、健、君一人でやってもらいたいのだ」
健「一人で?」
南部「もちろんマキシム博士とも一緒だ。北極まではかなりの距離だ。その間君達5人が行動を起こせば、ギャラクターに気付かれないとも限らん」
今回の話、ギャラクターが作る舞台が大掛かりなのと、マキシム博士のキャラが立っているのとで面白いのですが、SFとしては???でちょっと残念な回です。
北極の磁場って大して強くないので、磁気記録を磁場の力で消したいのなら、強力な電磁石に入れる方がずっと効率もいいし効果的です。大陸横断リニアモーターカーなんてのが31話で普通に使われているのですから、強磁場を作る技術には事欠かないはずです。記録メディアを燃やさなくても、キュリー点を超える高温にしておけば磁気記録は消えてしまいます。
92話では、海溝に沈む三日月基地を完全破壊しておかないとギャラクターに引き上げられて機密が漏れるという話だったのに、北極の氷の下なら当面大丈夫だ、とするのも矛盾しています。
誰かが発見したものは、黙っていたっていずれ別の人が発見するのが科学の常なので、今苦労してマキシム博士の成果を葬ったところで、別の誰かが独自に見つけてしまうのは時間の問題でしょう。リアルじゃ「ホームメード原爆」なんてのもあったくらいですし(アメリカの大学生が原子爆弾の製造手順を再発見し、卒論だか修論だかに書いて大学に提出、論文が国家機密指定された)。かくいう私も、大学入った直後に「君らが本気にって勉強すれば原爆を作れるが、設備が不十分だとウラン濃縮の段階で放射線障害で死ぬから、原爆作ろうなんて考えるな」と講義で言われたクチ。
このへん踏まえてSFやるなら、とりあえずはマキシム博士の成果をかくして時間稼ぎをしつつ、悪用されないための研究を同時に進めている、といった描写まであるとリアリティが増したと思います。
まあ、この回の見所は、ギャラクターの作った無駄に芸が細かい「書き割り」でしょう。倒壊したISO本部だの海の底のレッドインパルスの墓だの……。正義側は42話でギャラクター基地の撮影セットを作りましたが、今回はギャラクターが未来の地球セットを作るという……。舞台セット制作対決の回でもありますね。エキストラの動員数はギャラクターの方が圧倒的に多かったんですが。
マキシム博士が、科学者としてキャラ立ちしていて、しっかり偽物と見抜くんですが、
たかが20年くらいであんなに科学が進歩するはずがない。
と、SFとしてもいいセリフを言ってくれるんですよ。マキシム博士に座布団あげてぇ〜、みたいな(ちょっと違)。それだけに、作戦の設定に難があるのが残念です。
ついでに、北極に沈めて終わり、の作戦を指示する南部博士が何だか軽く見えちゃってるんですよね。原爆の実験のときだと「物理学者は罪を知ってしまった。それは、失うことのできない知識だ」ていうオッペンハイマーの有名なセリフがあったりするし、小隅センセ監修ならこのへん盛りこんで、南部君に語らせてみてほしかったなぁ、と。
7月
12
2010
|2010/7/12(月曜日)-22:43| カテゴリー: 初代
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初代98話「球形鉄獣グレープボンバー」。
まず、最初にギャザーを言うシーンから。
コンソール回りはこんな感じです。部屋がとにかく広い上に、設備も充実しています。
諸君を集めている部屋がまた広い。
この回の博士は作画がいいのでイケメンでかっこいいです。シャツのカフスボタンがよくわかるシーンです。白っぽくて大きいのをしてますね。
いわゆる書斎は屋根の下あたりにあるようです。斜めになっている屋根のすぐ下。机の正面にブラインド付きの窓があります。南部博士のプライベートルームでしょう。
でもこの窓、屋根にはめ込みですから、雨が降ればこの傾斜で水が流れるわけで、上手く造らない限り、雨漏りで博士の机が洪水に見舞われそうです。
机の右側に本棚があって、いろいろ並んでるようです。ああ、どんな本が並んでるのか見せてもらいたい……。
三日月基地が壊されてから、別荘のいろんな部屋が出てくるようになって、それはそれで興味深いです。随分いろんな部屋があるようです。毎回違うレイアウトの部屋が登場するため間取りの見当もつきませんが、設備はちょっとした研究所並みといったところでしょうか。