パーソナルツール

04

Act.1 Text data for automatic translation.

ACT. 1 謎の飛行物体

「マリア‥‥フリード星が見えて来たぞ‥‥」

「あれが私の故郷の星なのね‥‥」

地球を出発してから一週間近く経っていた。フリード星最終戦争の時、フリード星を脱出しベガ星軍の絶対圏からのがれる為に使って依頼、一度も作動させた事がなかったスペイザーのワープ期間は、それでも少しの衰えも見せずにわずか一週間という短い期間にデューク・フリードとマリアをこの地球から200万光年離れたベガ星雲・太陽系カオスまで運んでしまったのである。目前にあるフリード星は蒼かった。デュークはルビーナに甦えりつつあるフリード星の写真を見せられていたが、実物は写真のそれより数段高く輝いているように見え、彼を深い郷愁へ誘い込むと同事にこれから始まるフリード星再建への闘志を燃えあがらせるのだった。

(------父さん、母さん、僕は必ずフリード星に文明と繁栄をとりもどしてみせます。)

彼は心の中でそう呟いた。そこには五年前故郷を棄てた幼い王子ではない、一星の王としての自覚を充分に持った彼がいた。となりに座っているマリアは幼い頃の記憶をほとんど持っていなかったが、蒼く輝くフリード星にわずかな父と母の面影を重ね、うっとりするような目で故郷を見つめていた。そんな妹の横顔を見ると、この娘だけは幸福にしてやりたい、そう思う彼だった。そんな感傷に浸っていると、マリアが急に声をかけた。

「兄さん‥‥あれは何かしら…?」

彼はふと現実に戻り前方に目をやった。見ると、蒼く輝くフリード星とこのグレンダイザーとの間に妙によく光る何かが見える。星ではないい。しかし、確かにこの空間に存在する物体だった。

「さあ‥‥」

そう言って彼はレーダースクリーンを見た。レーダーは何も反応を示していない。彼は不安を感じた。またしても妹の予知能力が効きを察しているのか‥‥?しかし、次の瞬間不安は恐怖へ一変した。その発光物体はもの凄いスピードでグレンダイザーに接近して来たのだ。

「キャアッ!」

マリアが悲鳴を上げる。アッという間とはまさにこの事だ。その光の強さ!コックピットはまっ白に染まり、二人は目を覆った。

(------ぶつかる!)

彼はとっさにそう思ったが発光物体はグレンダイザーをかすめ、後方で停止した。

「兄さん!」

マリアが叫ぶ。背後に危険を感じた彼は素早くグレンダイザーを反転させた。指が反射的に戦闘機関の安全ロックをはずす。

「おまえは見るな!目をやられるぞ!」

彼はマリアにそう言ってから発行物体と真正面に再対面した。ヘルメットのゴーグルを通してでさえ、その光を直視することは困難だった。光の渦の中、恐怖は続いていた。それは巨大なベガ獣や円盤獣に立ち向う刻の緊張感とは異なった、目前の敵が見えないというまっしく恐怖のそれだった。彼は絶体絶命の危機を感じた。すると次の瞬間、光は突然輝かなくなった。身を乗り出して目を凝らすと、そこに見えたのは一機の小型円盤だった。レバーを握る手に力がはいる。彼は殺気を感じたがその円盤は敵意とも友好ともつかぬ、ただそこに浮いているだけのようでもあった。

「兄さん!あれは…!?」

マリアが顔をもたげて叫んだ。

「ウム‥‥ベガ星の型によく煮てはいるが…しかし…」

彼の額から頬に冷や汗が流れ出る。すると円盤は動きを見せた。しかし、攻撃をしかけて来たのではない。