グレンダイザーのエピソード0のファンフィクについて。シネマ天文楽入門を読んでいたらいくつか計算式をみつけたのでチェックしてみた。
グレンダイザーが落っこちてきた時の速度として、18 km/sと設定した。これは、スペースシャトルの再突入の速度がこれくらいなんで目安にしてみたのだが、実際の天体の衝突速度はもうちょっと(30 km/s程度)あるらしい。じゃあ、ということで試算しなおしてみた。
グレンダイザー(スペイザー付き)430 t = 430e3 kg
突入時の速度 通常の隕石並とすると30 km/s = 30e3 m/s
運動エネルギーW = (1/2) * 430e3 * (30e3)^2 = 1.935e14 J
クレーターのサイズ R = 2.15*1e-3*W^(1/3) = 124 m
当然、クレーターのサイズ以上に被害は広がるはず。
ちなみに広島型原爆で6e13 J。ビキニ水爆が6e16 J。減速せずに地面に激突したとすると、広島型原爆の3倍程度の破壊力になる。
元の18 km/sのままだと、W= (1/2) * 430e3 * (18e3)^2 = 6.966e13 Jだから、広島型原爆より1割ちょっと大きなエネルギーとなる。このときはクレーターのサイズは88 m程度になる。
文中で言及したツングースカは、推定重量 40万tの小惑星が16.5 km/sで突入し、地上8.5 kmで爆発したと推定されている。なので、グレンダイザーが上記の速度で地面に激突したのよりは3桁ほど大きいエネルギーである。
いずれにしても、研究所の近くに減速なしでグレンダイザー程度の質量のものが落下激突したら、広島型原爆が落ちたのと変わらないわけで、宇門博士真っ青という描写は一応は妥当かなあと思ったり^^;)。
ただし、重量に比して、文中で書いた直系1 kmというのは大きすぎる。それでも、鉄などが主成分で密度高めの直系40 mの小天体だと思ったとすると、1km程度という予想はそんなに大外れでもない。どう表現するか微妙なところだな……。