ガッチャマンのSF考証をやっておられた小隅黎先生が亡くなられた。一応、東京創元社のページから引用しておく。

SF作家・翻訳家 柴野拓美(筆名=小隅黎)先生逝去

SF作家・翻訳家の柴野拓美(筆名=小隅黎[こずみ・れい])先生が、1月16日午後8時6分、肺炎で逝去されました。1926年10月27日、石川県生まれ。83歳でした。

日本初のSF同人誌〈宇宙塵〉を、1957年5月の創刊時より一貫して主宰、編集してこられました。月刊商業誌〈SFマガジン〉に遡ること2年前の創刊であり、この同人誌からは星新一をはじめ数多のSF作家、翻訳家、評論家が誕生しています。創刊から15年間は月刊刊行、その後も現在まで不定期刊で続いており、最新号202号は昨年春に発行されました。

翻訳家・小隅黎としての弊社・創元SF文庫への初登場は、1977年刊行の、E・E・スミスのレンズマン・シリーズ最終巻(当時いったん全6巻として完結していた旧訳版シリーズに続けて刊行した、第7巻『渦動破壊者』)でした(当時の叢書名はまだ「創元推理文庫SFマーク」)。そして2002年から04年にかけて刊行した新訳版レンズマン・シリーズは創元SF文庫での、また先生の単独名義での訳業としても、最後のまとまったお仕事となりました。

レンズマンに関しては、02年5月、丸善名古屋店の主催で、”新訳版『銀河パトロール隊』刊行記念”と銘打ち、柴野先生の盟友だった故・野田昌宏先生とのトーク・セッション「SFこそ我が人生」が同店で開催され、100名近い参加者を集めたことも、今とても懐かしく思い出されます。

ハードSFの翻訳が中心でしたが、それにとどまらず、創元SF文庫ではニーヴン&パーネル『インフェルノ』、ハル・クレメント『一千億の針』や、また、ポール・アンダースン『アーヴァタール』、そして『造物主(ライフメーカー)の掟』他のJ・P・ホーガンの諸作品を翻訳していただきました。

編集部では昨年12月に、日下三蔵先生とともに御自宅へおうかがいし、3月刊行予定の今日泊亜蘭『海王星市(ポセイドニア)から来た男/縹渺譚(へをべをたむ)』のための「今日泊さんの思い出」のインタビューを収録させていただいたばかりでした。

ご冥福をお祈りいたします。
(2010年1月16日)

 ファンアタスティックコレクションNo.3の科学忍法火の鳥の考証を書いておられるのが小隅先生なので、業績を偲びつつ読むべし。
 そういえば、初代ガッチャマンてちょうど今頃(2010年)の時代をイメージして作られたとどこかにあったような……。