|2014/8/24(日曜日)-00:31| カテゴリー: グレンダイザー, 蒐集
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グレンダイザーF.C.(一番最初に結成されて、「スペイザー」を刊行して、徳間のロマンアルバムにも紹介されいた)制作のスライドアニメは、PART.Iが「幻のむこうに死神を見た」で、PART.IIが「信じ合う友情の絆」です。紹介記事をそれぞれ、こことここに書きました。
ところが、これ以外にもスライドアニメーションの計画があったようで、違う内容の話の絵コンテを入手しました。しかし、計画だけで製作されなかったのか、途中でボツになった企画なのかはわかりません。2ページ目に「制作 グレンダイザーF.C.」とあるので、パロディ編のシリーズの1つだろうと思われます。上映されたものは冊子となってファンクラブのメンバーに配られたそうですが、当時ファンクラブに入っていた方に尋ねても、冊子になったのは「幻のむこうに死神を見た」「信じ合う友情の絆」の2つだけだそうです。
ということで、完成せず絵コンテの段階で終わったものらしいのですが、ストーリーがなかなか面白いので紹介します。何と、甲児くん女体化ネタが突っ込まれております。
オープニングは「とべ!グレンダイザー」ではなく「きみこそ勇者」を使う予定だったようです。
甲児くんそこで拾い食いしたらアカン……。しかもそれ、バイクでぶつかった人の落とし物だし。
「こんな姿になってしまった私はやはり研究所にはいられません」って、何か研究所が女人禁制みたいです。まあ、ひかるもマリアも居るのでそんなわけはないのでしょうが。そりゃそうと、一体どこに行くんでしょうね。光子力研究所に戻ったら弓教授が仰天しそうだし、グレートの状況を見た限り、住んでた家はもう無さそうだし。
甲児くんからの連絡はまだ無いのか、って言ってるところを見ると、宇門博士は甲児がどうなったかについて先刻承知なのでしょうかね。
「落ちてた怪しいものを拾って食べてはいけません」と宇門博士が教育しないとダメだったとかそういう話になってるような。
|2014/8/23(土曜日)-22:45| カテゴリー: グレンダイザー, 蒐集
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「デュークが地球に来るまでの時間経過の資料メモ」のその後。イタリアのgonagai.netでの議論のために改めて資料を調べた結果、もう少し絞り込めそうなのでまとめてみた。「TOEI’s description is confusing」のほぼ日本語訳である。
事の発端は、東映アニメのサイトの海外向けの解説に、
After ten years’ travel through space he reaches the earth, and comes to know Dr. Umon, a space scientist. The prince names himself Daisuke Umon, and leads a peaceful life as a member of the Umon Family.
と書かれたことである。
そのまま訳すと「10年の旅路の後に彼は地球にやってきて、宇宙科学の科学者宇門博士と知り合った。王子は宇門大介と名乗り、宇門家の一員として平穏な暮らしをしていた。」となる。この「10年」という説明が、本編やその他の解説とも合わないのでどう解釈すべきか、というのが、gonagai.netで議論された。
結論からいうと、公式の上記の記述は間違っており、制作資料と本編のみの情報から、デュークがおよそ2年ほどさまよった後に地球に到着したとすれば、キャラクターの年齢も含めて全て矛盾なく説明できる。
まず、議論の前提として、マジンガーワールドは現実の世界と時間軸を共有する物語である、とする。現実におきた出来事のいくつかがマジンガーのストーリーに反映されていることから、このように仮定しても間違いはないと思われる。たとえば、1973年にはオイルショックが起きた。1974/04/21に放映されたマジンガーZの73話には、オイルショックのためボスボロット用のガソリンを買えないという描写がある。
甲児はグレートマジンガーの最終決戦の時にマジンガーZに乗って参戦した。さらに、グレンダイザーの1話では、富士山の上を飛びながらマジンガーZでの戦いを思い出して、「今の俺はマジンガーZの操縦者じゃねぇ」とつぶやいている。つまり、Z、グレート、グレンダイザーは同じ時間軸に並ぶ物語である。(注:東映まんが祭りのZとグレートの交代劇や、グレンダイザー対グレートマジンガーなどが上映されたので、3つの物語が一続きのものだというのは日本人にとっては当たり前だが、イタリアでは放映順序が異なっている上、まんが祭りで上映された内容が編集されずに時間を追って紹介されたわけではないため、話の順番に混乱が生じていた)
これらを踏まえて、3つの物語のタイムラインチャートを描いてみた(クリックで拡大)。
このチャートには、次に示した1次資料の情報(本編、シナリオ、設定画)のみを入れた。
- 宇門博士が「(デュークと出会ってから)かれこれ2年」と言っている(1975/10/12、第2話).
- 宇門大介20歳、兜甲児18歳(第6話シナリオ、1975/11/19放映)
- マリアは13歳(49話シナリオ、1976/09/05放映)
- 宇門博士が「マリアちゃんはまだ14歳」と言っている(50話、1976/09/12放映)
- デュークがフリード星を脱出する直前の年齢は15歳(71話設定画の記載)
- マリアがフリード星を脱出する直前の年齢は9歳(設定画の記載)
なお、50話で語られるマリアの年齢は、海外版では16歳に変更されており、時間経過がさらにわかりにくくなっている。ここでは日本版オリジナルの年齢を採用する。
1より、デュークが地球に来たのは1973年の秋となる。
マリアの誕生日はわからないが、3と4から、1976/09/06から1976/09/12の間に14歳の誕生日を迎えたことになる。すると、1971/09/06から1972/09/12の間に含まれる365日間、9歳であれば矛盾しない。
デュークの誕生日もわからないが、2より、1969/10/15から1971/10/05の間に含まれる365日間、15歳であれば矛盾しない。
フリード星滅亡時にデュークは15歳でマリアは9歳であった。二人の年齢がこの条件を満たすのは、1971/09/06から1971/10/05の間なので、フリード星の滅亡はこの期間に起きたと考えられる。
2より、甲児は1972/09/11の時点で15歳である。もし、甲児が1972/04/01においても15歳であれば、高校に入学することができる。これは、マジンガーZで甲児が東城学園高校の生徒であったことと矛盾しない。
グレンダイザー14話(1976/1/4放映)で、宇門博士がデュークに向かって、正月を迎えるのが初めてであると言っている。しかし、デュークは 1974/01/01にも1975/01/01にも日本に居た。単に元旦を迎えるという意味であれば、14話の宇門博士の台詞は意味をなさないことになる。この部分については、地球到着時にデュークが重傷を負っていたので、正月らしい正月を過ごすことができなかったと解釈するしかない。
ということで、公式がこんな適当なことを書いて海外のファンにまで混乱を引き起こすようでは困ります。当時の文芸資料の年齢と合った記述になおしていただきたいところです。