こちらで紹介したフランス語バンドデシネの内容を紹介する。twitterだと数が増えるのでまとめを書くことにした。本を買って自分のペースで楽しみたい人は、本を読んでから見に来て下さい。
研究所では吾郎と団兵衛がダイザーチームの帰りを待っていた。が、先に自動操縦で戻って来たのは失われたスクリュークラッシャーパンチだった。何かあったのではと心配して見守る団兵衛と吾郎は、スペイザーの一機がエンジンにダメージを受け、高度を下げつつあるのを見た。それがマリンスペイザーとわかり、吾郎は不時着した場所に急ぐ。マリンスペイザーは炎上していたが、ひかるは無事だった。団兵衛は吾郎を追いかけ、ひかるを心配するあまり無理に立ち上がって歩こうとするが、胸を押さえて倒れてしまう。
医務室を塞ぎたくない大介は、グレンダイザー格納庫で一人休んでいたところをマリアに見つかる。一方、医務室では、宇門とひかるが団兵衛にペースメーカー埋め込みの手術をしていた。ひかるは、やってきた大介に向かって、倒せるはずの円盤獣を倒さなかったとなじる。
シラカバ牧場の近くで物思いにふけっていた大介の所に、宇門が来て、ギターを差し出した。宇門は、団兵衛は容態は安定していて意識を取り戻すのを待つだけだと伝え、グレンダイザーも同じだという。グレンダイザーは大介と脳への通信でいつも影響しあっていた。宇門はグレンダイザーの不具合を探していたが、結局、大介が戦いを望んでいないことが原意とわかったと言い、フリード星で本当は何があったのかと大介にきいた。
フリード星では、デュークは数多くの強い敵と戦っていた。戦っている間中ずっと、どんなに戦ってもまた侵略されるという心の声をきいていた。殺されてしまったフリード星人に混じって倒れているマリアの姿を見て、デュークは敵を殺すこと以外に何も考えられなくなり、ダブルハーケンを振るい続けた。気がついた時には全てが終わっていた。ベガ生の生き残りが一人、海岸に向かって歩いていた。それがケオスだった。デュークは殺すつもりで銃を手に追ったが、ケオスにはもう戦う意志はなく、妻と子どもを探していただけだった。海はベガ星人の死体で溢れ血に染まっていた。デュークは自分が怪物になったのだと悟った。
話をきいた宇門は、怪物であると自覚できるのならそれは怪物になっていないということだし、ヒドラゴンはまた戻ってくるだろう、皆が大介を必要としているのだと言った。
夜があけて、大介とダイザーチームはグレンダイザーの修理をしていた。そこへ、団兵衛が意識を取り戻したとひかるが伝えに来る。団兵衛は、どうしても大介と直接話をしたがっていて、この戦いを終わらせる方法について話したいということだった。
大介は、団兵衛の病室に向かう。団兵衛は、戦争に勝つのではなく止める方法があり、それは自分がかつて経験したのだと話し始めた。
かつて、太平洋の島で、団兵衛のいる日本軍と米兵の部隊が白兵戦をしていた。6日間、双方に補給はなく、水も食料も尽きた。双方の塹壕の間に小さな池があったが、顔を出したり近寄ったりすると殺されるので、どちらも手出しができないままにらみ合っていた。お互いがお互いを怖がっていた。暑さのせいかバカげたことをする気になった団兵衛は、武器を持たずに塹壕を出て、池で水を汲み、米兵に渡した。その日は銃撃戦はせず、日本兵と米兵はその池の水を飲んだ。少なくとも彼らはその場では死なずに済んだ。
団兵衛は、怖がっていたのでは平和は来ず、地球侵略をしてきた宇宙人の方が大介とグレンダイザーを怖がっているのではないかと語るのだった。
この章のタイトルは”LA GUERRE DE RIGEL”、「団兵衛の戦争」といったところか。放映当時の50代ならぎりぎり戦争を経験している世代である。
医務室、とあるが、本格的な手術室を設備として持っているという想定で書かれている。研究所を閉鎖した時に、武器類は全部無くしたことにしたが、それ以外の物品はそのままにしていたという話なのだろう。