どうせ南部君を出すのなら……。

「ここの責任者は誰かね?」
 黒いリムジンから降りるなり、南部は叫んだ。
「このコピーは一体どういうつもりなんだ!」
 南部は涙ぐみ、握った拳を振るわせていた。
「私がこれを仕上げるのに、どれだけ手間と時間をかけたか……、ボディラインにもヒップラインにも全てに意味があるのだよ」
「あの……博士、それって健とジョーのことを博士は……」
 Reeは南部の迫力に押されて口ごもった。
「それをこんないい加減な模型にするなど、断じて許せん。竜、ゴッドフェニックスで釣り上げろ!」
「健とジョーを連れて行くんですか?」
「私はあのゴッドフェニックスの模型に用があるんだ!コピーと称して、曲面の形が微妙に違うなど許し難い。これの元を作ったのが私だなどと思われては、私のプライドはずたずただ。コピーを作るのなら完璧にしたまえ!この模型を見て私の萌えを判断されたのではたまったもんじゃない。よって模型は回収、廃棄させてもらう」
 ゴッドフェニックスのフックがハリボテをぶら下げて飛び発つのを見て、南部は満足気に頷いた。
「コピーを展示したければ、前もってちゃんと正式に連絡したまえ。ミクロン単位の精度で、1:1模型を作ってやらんでも無い」
 南部は車のドアを開けて乗り込もうとした。
「あの……それで健とジョーは……」
「ああ、そっちは別に精度が悪くたって何の問題もない。人体などというものは、体調によって微妙に体格が変わったり、鍛えれば筋肉の付き方が変わったりするのが普通だからな。私のゴッドフェニックスと一緒にすることなどできんよ」
 言い放って、南部は車に乗り込み、そのまま走り去った。



Recently:


Comments


このエントリーは 2010/1/8(金曜日)-02:51 に、カテゴリー ガッチャマン, 創作に投稿されました。 RSS 2.0 feedを用いて応答を追跡できます。 You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed.

2 個のコメントがあります


  1. Ree on 2010/01/09 01:47

    ぺしっ!
    南部君へ
    究極の模型、所望!
    うちの売上がた落ちぢゃん!
    By しらかば牧場オーナー Ree(笑)

    PS:ニューゴッドフェニックスは不必要。ガッチャスパルタンでも許す。勿論、HS装着で。
    以上

    きゃは~(笑)

  2. 裕川涼 on 2010/01/09 02:11

     南部君に訊いてみました。
     「スペックやら内部図解の説明図のパネルと一緒にきちんと展示してくれるなら作る」って言ってます。ついでに見学者向けパンフレット案もあるみたいです。HSまで装備してしまうと模型の範囲を超えるのでダメっぽい。ちうことで、一応現役から引退した初代フェニックスならOKっぽいです。

    #つまりは博物館並のクオリティにしろということらしい。

Name

Email

サイト

XHTML: 次のタグが使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

コメント

*