家露さんのところから、なぜか着付け教室のヘッドになって営業している南部君と宇門博士をいただいてきたので、これをネタにしてショートストーリーなど。
ノリでやった。後悔はしていない。公開はするが。
会場にて
「古い、ってのは一体どういう意味だ?あの足剥き出しのスタイルは、ただの悪趣味にしか見えんが。この間、ミスユニバースの日本代表のコスチュームとして出てきて、大バッシングされた例のアレのパクリではないのか?」
宇門は、南部に詰め寄った。
「デザインは後からどうにでも変えられる。宇門、君は一体何のために世の中に着付け教室だのキモノ学院だのがあまた存在すると思っているのだ?」
「それは、美しくキモノを着こなすには練習が必要だからだ。色や柄をきちんと合わせただけでは足りないのだよ」
「それが古いと言っているのだ」
南部は胸を張った。
「あの健の衣装、着付けするのにどれだけの時間がかかったと思う?」
「知るか!」
露出度はともかく、帯の結び方を見た限りでは、それなりの時間と手助けが必要なことは明らかだった。
「ほとんど一瞬、だ」
「何だって?」
「これのおかげでな」
南部は、右手の人差し指で、ブレスレットをくるっと回した。形は科学忍者隊のブレスレットだったが、ベルトには派手な花柄がプリントされていた。
「バードスタイルへの変身システムを応用したのだ。transumutationの掛け声一つであのスタイルになる。変身後はブレスレットを外しても姿をそのまま維持できる」
「ちょっと待て、それはISOの最高機密ではないのか?」
「科学技術のスピンオフなど、別に珍しくもあるまい。誰でも簡単に美しく着こなせるようになることが教室の存在意義ならば、その部分を技術で解決してこそ、着付けは万人の物になる」
「邪道だ!技術を教えるはずの教室が、単に道具を売るだけの商売に成り下がってしまう!」
「着付けの教師を軒並み失業させる技術をウチが開発したからって、そうムキになるな」
「いいんですか南部博士。ギャラクターが血眼になって探している変身の秘密をこんなところでばらしちゃって」
「いずれ戦いが終われば、技術は平和利用されるものだよ。これはその予行演習に過ぎないのだ、ジョー」
「そりゃまあ、平和利用といえば確かに平和利用ですけどねぇ……」
ジョーはまだ釈然としなかった。
「そりゃそうと、何でそのブレスレット、花柄なんです?」
「そりゃ、出撃の時に間違えんようにだ。あの衣装でも何とかならんわけではないが、バードスタイルとはギャップがありすぎるからな」
「何とか?ってどういう意味です」
「元々がバードスーツの技術だ。あの恰好でも、防弾防刃性能はそこらのアーマーの比じゃない。32口径くらいなら至近で撃たれたってノーダメージだし、刃物で切られたって傷一つつかんよ」
「そこまで言うなら試すぞ」
宇門が割って入った。
「やってみたまえ」
南部は袂からサイレンサー付きのオートマチックの拳銃と、刃渡り30センチ以上のサバイバルナイフを取り出し、宇門に手渡した。ナイフの方は、銃剣として国連軍に制式採用されている代物である。
「平和利用って言いつつ、一体何物騒な物持ち込んでるんですか!」
「別に、ボディーチェックは無かったぞ」
ジョーのツッコミを、南部はさらりとかわした。チェックされないからといって、普通はキモノの着付けのコンテストの会場に武器を持ち込んだりはしないだろう、と、ジョーは頭を抱えた。
「健、動くな。宇門博士が試験したいそうだ」
南部の言葉に、健は宇門の方を向いてポーズをとったまま止まった。
「万一のことがあっては困る。両手を広げて壁際に立ってくれ」
「私を信用しとらんのか?」
宇門は、南部を無視して、健の振り袖部分を狙って引き金を引いた。着弾の衝撃はあったが、貫通した様子はない。撃った弾はそのまま健の足元に転がり落ちた。
「大した衝撃吸収力だ」
宇門は近づき、今度はナイフを引き抜いて力一杯振り袖部分を突き刺した。しかし、傷もつかなかった。
「強度はケブラー繊維以上か」
「そうだ。これでいつどこで狙撃されようが生命は保障できる。宇門君、君のところで着付けしたって、せいぜい見かけだけだろう。しかし、私の技術を使えば、ホッケーマスクを付けた誰かさんにチェーンソーで襲われたって大丈夫だ。火炎放射器で焼かれると、さすがに、肌の露出部分は保たないだろうが」
「平和利用っていいながら、一体どんな動乱の世の中想定してるんですか、南部博士!」
「ジョー、例えばVIPが集まるパーティーの警備要員に使わせれば、見かけの華やかさと防弾チョッキとしての用途を両方とも満たせて、一石二鳥なのだよ。アーマー着用が丸見えの警備員がうろついていては、興ざめだろう?」
「で、何で健がモデルなんですか。俺だって試してみたい」
「却下だ」
「どうしてです?」
「バードスタイルの変身システムを忘れたのか、ジョー。普段、バードスタイルになるには、あのおそろいのシャツでないとダメだっただろう?」
「あのキモノになるには、普段俺達が着ているあのシャツじゃできないんですか」
「あそこまで複雑な形にするとなると、シンプルな形状のTシャツから変形させていたのでは追いつかなくてな。元の衣装は普段とは違うのだよ。まあ、それが難点といえば難点なんだが……」
南部は、胸元から、一枚の写真を撮りだした。
「変身前はこれだが、本当にやるかね、ジョー。オケラの健は変身前の恰好もバイトで利用していたようだが」
「な、何ですかこりゃー!」
ジョーの叫びが会場に響いた。
写真に写っていたのは、ネコミミに見えるリボン付きカチューシャに、白いエプロン、フリルのついたミニスカートに半袖の上着、レース付きのソックスにハイヒール……どこからどう見ても萌え娘のメイド服を身につけた健だった。
※メイド服の萌え娘のマンガをゴッドフェニックスに描かせる南部博士登場のフィクに続く……かもしれない。
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裕川さん、いきなり笑いました!
元ネタ、当たってます。健ちゃんの着物ドレスはミスユニバースのパクリです。
何かすごく刺激されるストーリーで、誰かをメイド服にしたくなってしまいました…!
ぶははは!
大笑いしました。
是非とも変身前の健ちゃんの写真を公開していただきたく・・・ね。家露さん(*^_^*)
家露さん、
元ネタはやっぱりアレでしたか(汗)。
まあ誰をメイド服にするかでかなり展開が違いそうな。
Reeさん、
どういうネタになっても相変わらず思考と行動のパターンがちっとも変わらない南部君と宇門博士だったという……。
まーでもとりあえず、レッドインパルスの機体に萌え娘が半裸で横たわっているマンガをペイントしようとして赤親父に張り倒される南部君、というのを考えてたりするんで。
ようやく読めたー!そして笑かしてもらいました!!
やっぱり南部博士がらみは楽しんでるとしか思えないですよー!
素晴らしい振袖だわ。まったく着付けの出来ない私には夢のようなアイテムなんですが、宇門博士のおっしゃる事も一理あって、購入を迷っております。変形前のメイドさんも、私にはイタイものがありますし。(ロングスカートなら、着物の裾も長くなるなら・・「ロッテンマイヤ」さんあたりを狙えばなんとかいけるか??)
この技術、デュークの戦闘スーツにも匹敵しますね!
(やはりナノマシン系で)応用バージョンに期待してます。次の犠牲者は誰だろ~。
南部博士、人様の機体に勝手に描いちゃダメー(笑)
あたるさん、
スーツの変形という点ではデュークと良い勝負ですね。
次は宇門博士が、デュークの戦闘スーツ変身を解析して、一発で着付けられるキモノの開発に走って南部君とガチバトル、という展開もありそう。
どうしたもんだか。
新ネタに発展しそうで嬉しいです!
どんどん着物から外れていくのがお二方らしい・・。
そのうち、「付加価値」として武器がつけられそう(^^;)
あたるさん、
だんだん、何の勝負だったかわけがわからなくなっていくという、まるで少年ジャンプの連載漫画のようなことになりそうですねぇ。