こちらで紹介したフランス語バンドデシネの内容を紹介する。twitterだと数が増えるのでまとめを書くことにした。本を買って自分のペースで楽しみたい人は、本を読んでから見に来て下さい。
宇門博士の監督のもと、ダイザーチームは3機のスペイザーの整備を始める。作業はまずは掃除からだった。ダブルスペイザーの整備が終わり次第、マリンスペイザーの整備を始めることになった。多忙なチームを励ますために、宇門は古いレコードをかけた。それは、昔、グレンダイザーが闘っていた時、子供たちが学校で歌っていた歌だった。
古いロッカーを探して、ダイザーチーム達はかつて使っていた戦闘服に着替えた。ひかるは昔を思い出し、甲児との付き合いは何も進展しないまま終わったことを少し後悔し、それをきいた甲児も沈むのだった。
試験飛行の準備が整い、3機のスペイザーは研究所から飛び立っていく。が、グレンダイザーの準備は遅れた。観測室から、大介と一緒に見守る宇門は、パイロットは訓練不足で、機体は本来の性能の半分も発揮できないことを憂慮する。が、悪天候の中を長時間飛行するダイザーチームを見て、訓練でどうにかできるかもしれないと期待するのだった。
しかしグレンダイザーはロックしたままになり、コマンドは受け付けず、デュークの戦闘服を作り出すこともできない。宇門は、本当はフリード星で何があったのかと大介に訊く。
ちょうどそのとき、ベガ星の兵士が研究所に侵入し、人質をとって、デュークを呼び出す。人質の声が番太だとわかった大介は、宇門が止めるのも訊かず、呼び出しに応じた。番太を人質にとったのはケオス大佐だった。大介は銃をつきつけるが、ベガの将軍に地球に手出しするなと伝えるように指示した。番太は、ケオスと撃て、と言ったが大介は見逃した。
マザーバーンでは、ケオスが、グレンダイザーが動き出す前に攻撃すべきだと主張するが、アルケン将軍は、7日の猶予を与えたのだといって攻撃命令を出さない。ケオスは、ヒドラゴンはベガトロン不足で十分活動できないが、富士山の地下からベガトロンが見つかったので、日本を征服すればグレンダイザーと闘うエネルギーが得られると主張した。アルケン将軍は、ケオスに、個人的復讐と作戦を一緒にするなと諭した。アルケン将軍はアルガイアに相談するが、アルガイアは自分自身に問うよう言うのだった。
最後までストーリーに絡んでくるオリキャラが登場したのでまとめておく。
まず地球側。オオタ将軍。
ベガ星の生き残りの人々。割とありそうな読み方でカタカナにしてみたが、フランス人がどう発音しているかはわからないし、発音を正確にカタカナにするのも無理な話なので、その点は了承してほしい。
イロス・ド・アルケン将軍(Yros D’Arkhen)
ケオス大佐 (Kehos)
この章のタイトル”J’ARRACHERAI DE MES MAINS LE COEUR D’ACTARUS”は、「この手でデュークの心臓をとり出してやる」のような意味で、作中のケオスの台詞。
アルガイア(Argaïa)。アルケン将軍の娘で、下の少年カシオールの母。
カシオール (Kasior)
デュークの戦闘服への変身メカニズムは、アニメでは特に何も設定されていない。ムック本などを見ても、製作側の公式見解として出されたメカニズムはない。グレンダイザーが戦闘服を作り出す、というのは、このバンドデシネのオリジナル設定である。
作業が忙しいダイザーチームを励ますために、宇門博士がレコードをかけようとするシーンは、
のように描かれている。宇門博士が持っているレコードは、アニメ放映当時にフランスで作られた歌のものである。ジャケットのデザインは、
で、マンガのコマと一致している。アーティストはClaire Diterziで、L’Arbre en Pocheというアルバムに収録されたらしい。曲はたとえば、https://www.youtube.com/watch?v=SvDsjWerRugで聴くことができる。歌詞は次の通り(カッコ内の日本語は裕川による)。
Il traverse tout l’Univers
Aussi vite que la lumière
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Formidable robot
Des temps nouveaux
(光の速さで宇宙を横切る、彼は誰?どこから来たの?驚異のロボット、新時代)Il jaillit du fond de la mer
Il bondit jusqu’à Jupiter
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Ce terrible géant
Des nouveaux temps
(海底から飛び出し木星に跳躍、彼は誰?どこから来たの?とてつもなく大きい、新時代)C’est Goldorak le Grand
Le Grand Goldorak
C’est Goldorak le Grand
Le Grand Goldorak
(これは偉大なグレンダイザー、偉大なグレンダイザー、これは偉大なグレンダイザー、偉大なグレンダイザー)Il arrive du fond du temps
Comme un soleil éblouissant
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Ce merveilleux génie
De l’infini
(時間の底からやってきた、太陽のようにまばゆい、彼は誰?どこから来たの?すばらしい守護神、それは無限)Il est né d’une galaxie
Aux frontières d’une autre vie
Qui est-il ? D’où vient-il ?
L’invincible robot
Des temps nouveaux
(銀河で生まれた、別の生命の果てに、彼は誰、どこから来たの?無敵のロボット、新時代)Il traverse tout l’Univers
Aussi vite que la lumière
Qui est-il ? D’où vient-il ?
Formidable robot
Des temps nouveaux
Nouveaux
Nouveaux
(光の速さで宇宙を横切る、彼は誰?どこから来たの?驚異のロボット、新時代、新しい、新しい)
フランスでは、グレンダイザーのオリジナルテーマソングがいくつか作られていて、これもその1つ。グレンダイザーの人気を考えると、この本を買うような人はこの歌詞を良く知っているはずである。従ってフランス人には追加の説明は不要だろう。一方、日本人でこの歌を知っている人は少ない。マンガでは、宇門博士がレコードをかけ、甲児君がそれに合わせて一緒に歌った後、俺達は仲間に入れて貰えない、と言っている。日本人がマンガだけ見ているとこの台詞の意味がわからないのだが、上記の歌詞にはグレンダイザーだけが登場し、3機のスペイザーは出て来ないので、宇門博士がグレンダイザーだけを称える歌を流したことに対する甲児君のコメントだとわかれば意味が通る。
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