予約しておいたグレンダイザーのBlu-rayボックスが届いた。

映像はDVD-BOXよりもずっときれいなのでファンなら買う価値はある。予約特典の絵コンテも、収集できていないならぜひ欲しいところ。ただ、付属のブックレットは、キャラクター、円盤獣のカラー絵をまとめたもので、DVD-BOXのときの文芸資料チェックてんこ盛りとはほど遠い内容である。これだとBlue-ray BOXを買ってもDVD-BOXを手放せない。あのブックレットは英さんという調査研究の鬼が居て初めて成立した奇跡の冊子だったのだと改めて思う。

さて、以前、Reeさんと、25話でグレンダイザーの自衛機能発動の鍵が何であるかという話をしたことがあった。Reeさんは、大介が、指輪をつけていると攻撃されないという内容のことを言っているのを確かにTV放映で見た、と言って譲らなかった。同じ回を私も子どもの頃にリアルタイムで見ていたのだが、指輪の話は全く記憶に無いし、そういう台詞は無かったと記憶している。その後LD-BOXやDVD-BOXを買って25話を見直したが、指輪の話は出て来なかった。

ナイーダの登場する25話は、桜多吾作氏のマンガのエピソードが元になっている。グレンダイザーの攻撃機能を語っているページは

Oota

となっており、指輪を持っていないとグレンダイザーに攻撃されることを台詞で説明している。

これに対応するシーンをDVD-BOXで確認すると、

DVDpicture

のような絵になっている。この場面の大介の台詞は、「このグレンダイザーは、ぼく以外の人間が近づくと、自動的に排除するのを忘れたのかい、ナイーダ」で、指輪には全く言及しておらず、LD-BOXでもDVD-BOXでも同じであった。

Reeさんは、このシーンの大介の薬指に指輪らしき痕跡が描かれているので、絵に合わせて、グレンダイザーに自動攻撃されないためには指輪が必要だということを大介が語っていたはずだ、と言っていた。

今回、Blue-rayになって映像がきれいになったので、指輪があるならもっとはっきり見えるだろうと考え、問題のシーンをチェックしてみた。

Blue ray

確かに指輪の痕跡らしきものがあるのだが、塗りつぶされて消されているようにも見える。収録されている音声の方は、「このグレンダイザーは、ぼく以外の人間が近づくと、自動的に排除するのを忘れたのかい、ナイーダ」で、指輪の話は出て来ない。

予約購入特典の25話絵コンテの該当ページは、

Storyboard

となっていて、台詞に指輪が登場する。

もし、指輪の話が出る音声バージョンと出ない音声バージョンの両方があるなら、LD, DVD, Blue-Rayと3回も全話収録版を作っているのだから、バージョン違いが見つからないとも思えないし、存在するならイマドキのことなので特典として収録するだろう。2種類の音声が存在する可能性はなかろうというのが柳沢監督の意見でもあった。録音台本もチェックしたいところだが、探しているけどまだ入手できていない。

なお、シナリオ「大空に輝く愛の墓標」(馬嶋満)はアニメとは展開が違っていて、グレンダイザーを陽子爆弾で爆破しようとしたナイーダを、大介が格納庫の上の方から飛び降りてきて止めるところまでは同じだが、グレンダイザーの攻撃を揃って受け……というかナイーダへの攻撃を大介がかわりに受けとめて吸収した結果、ナイーダは軽症だが大介は意識不明に。その意識を取り戻させるために宇門博士が電気ショックを与える、という流れである。揃って攻撃を受けてしまっているので指輪の話はまったく出てこないし、変身していれば助かったがかわりにナイーダが死んでいただろう、という宇門博士の見解が語られたりする。

今回絵コンテでわかったことがもう一つある。ナイーダが爆弾を取り出すシーンはこうなっている。

Storyboard2

爆弾の形が桜多氏のマンガのものとほぼ同じである。このことからも、演出では桜多氏のマンガにそったものにしようと考えていたことが窺える。

桜多氏のマンガにあった指輪の話がシナリオでは消され、その後絵コンテで復活したが、最終的な映像と音声では再び削除されたと考えるしかない。名エピソードなのだが、放映の形になるまでに紆余曲折があった様子が窺える。

ただまあ、左手薬指の指輪を残しておくと別の意味で差し障りありまくりではある。婚約もしてないし配偶者もいない(ルビーナの話はかなり後付け)設定なのに何でまた、ということになる。もし中指に指輪が描かれていたら台詞も残ったのかなと思わないでもない。むしろなぜその指に描こうとした?とツッコミを入れるしかない。



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