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ACT.9 円盤獣の挑戦
デューク、マリア、ペガサス、オックス、エリーナの誤認は地下へ避難しようとする人々をかきわけ、王宮前へ出た。そこには星空を背景に、三体の円盤獣が立っていた。だが三体の円盤獣は王宮を攻撃する気配は見せず、ただ、そこに立っているだけかのようだった。デュークはその三体の円盤獣を見て、不思議に思った。そう、その三体のいずれもが過去に地球で戦った事のある、見覚えのあるものだったのだ。そこへ、少し遅れてドクが駆けつけた。彼は息を切らせて言った。
「妻と娘はどうした!」
「大丈夫よ。安全な場所へ避難させたわ。」
エリーナが答える。その時、地獄の底から響くような声があたりに轟いた。
「グレンダイザー!出て来い!俺達と戦うのだ!」
その声は、あたかも円盤獣が喋っているかのようだった。声は再び轟いた。
「どうした!おじけづいたのか?そのちっぽけな白を踏み潰す事など、俺達にとってはたやすい事だぞ!」
デュークはこの声に激しい怒りを感じた。そして、グレンダイザーに向かって走った。
「兄さん!危険だわ!」
マリアが叫ぶ。デュークは立ち止まり、一同を振り返った。
「いずれにせよ‥‥グレンダイザーを出動させる!」
デュークは再びグレンダイザーに向かった。
デュークはグレンダイザーを発進させ、素早くスペイザーと分離し、三体の円盤獣の正面に降り立った。
「出て来たな!グレンダイザー!行くぞっ!」
三体の円盤獣はグレンダイザーに向かって構える。
「待てっ!その前に訊きたい事がある!君達はベガ星のものなのか?」
「フッフッフッ‥‥そうだ。俺達はベガ星の円盤獣だ。」
円盤獣はb君な笑い声と共に答えた。
「ならばこれ以上の戦いは無用だ!何の意味もないっ!」
「俺達は復讐の為にやって来たのだ。ベガ星人を滅ぼしたグレンダイザーにな。」
「何っ!」
彼の心の中に、怒りの炎が燃え上がった。
「初めにフリード星や地球を襲ったのはベガ星人ではないか!」
彼はその怒りの炎を吐き出すように言った。