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しかし、円盤獣はひるみもせず答えた。
「何を言っている。ベガ星人がフリード星人を滅ぼしたように、貴様はベガ星人を滅ぼしたのだ。結果的に貴様のやった事はベガ星人がやった事と変わりはないではないか。」
「な…何を言う!」
「行くぞっ!グレンダイザー!」
一体の円盤獣、フビフビがいきなり宙に飛び、手に持ったハンマー・バーベルをダイダーに投げつけた。ダイザーは間一髪これをかわしたが、落下してきたフビフビの蹴りをまともに喰らい、大地に転がった。
「うわあっ!」
「かかって来い!グレンダイザー!」
「く‥‥くそっ!」
デュークはグレンダイザーを立て直し、そして叫んだ。
「スペイザー!」
空中に浮遊していたスペイザーがダイザーに急接近する。
「ダイザー・ジャンプ!------スペイザー・クロス!」
ダイザーは高くジャンプし、スペイザーと合体した。
「どうした!逃げる気か!」
三体の円場獣はそれぞれ円盤に変型し、グレンダイザーを追って宙に舞った。デュークは逃げたのではない。王宮前での戦闘を避ける為、円盤獣を誘い出したのだ。グレンダイザーと円盤獣の群れは、北の空へ向かって飛んだ。
「兄さん!」
飛び去るグレンダイザーと円場獣の群れに向かって、地上のマリアが叫んだ。
「‥‥いかん…王子は奴等にけしかけられておる…」
一同の後ろでガイン老人が呟くように言った。
「長老!何ですって!」
オックスが言った。
「王子は奴等の誘いにまんまと乗せられたようじゃ…」
「…だったらどうすりゃいいんだ!」
ペガサスが堪り兼ねたように叫んだ。ガイン老人は何も言わない。
「チッ!オックス!俺達もグレンダイザーを援護するんだ!」
ペガサスはそう言って走り出した。
「お、おう!」
「あたしも行くわ!」
オックスとマリアがペガサスに続いた。
「逃げるな!グレンダイザー!」
一体の円盤獣、ギンギンがグレンダイザーに急接近した。ギンギンの円盤の周囲に装着されている鋭く、速く回転する刃がグレンダイザーに接触し、スピン・ソサーを固定してある左側のアームを切断した。
「うわっ!」
片方のアームを失なったのと、接触の衝撃とでバランスを失なったグレンダイザーは、失速し、大地に墜落した。
「ぐぐっ…シュ…シュート・イン!------ダイザー・ゴーッ!」
デュークはダイザーをスペイザーから分離させた。スペイザーからはい出たダイザーの前に、三体の円盤獣が着地する。
「行くぞっ!グレンダイザー!」
円盤獣ドイドイの頭部の突起から怪光線が発射された。