パーソナルツール

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ACT.9

ダイザーは素早くジャンプしてこれをかわし、空中に舞い踊る。

「スクリュー・クラッシャー・パンチ!」

ダイザーの左腕のスクリュー・クラッシャー・パンチがフビフビに向かって飛んだ。しかし、フビフビはハンマー・バーベルを振り回し、これを叩き落とした。スクリュー・クラッシャー・パンチは爆発四散した。

「‥‥す、凄いパワーだ!」

そのとき、一瞬の隙をついてダイザーの後方にジャンプしたギンギンがダイザーをはがいじめにした。

「うわっ!」

ギンギンの両腕についた円盤が前面を覆い、前が見えない。と、強烈なショックがデュークの体を突き抜けた。ギンギンがダイザーをはがいじめにしたまま放電したのだ。

「------!」

デュークは言葉にならない悲鳴を上げた。意識が一瞬、遠のく。ギンギンははがいじめにしていた両腕をダイザーから離した。ダイザーは空中からまっさかさまに墜落し、大地に激突した。

(‥‥つ、強い!)

デュークは心の中で叫んだ。と、その時、大地にうつ伏せに倒れたダイザーの右足をフビフビが掴んだ。

「フッフッフッ‥‥死ね!グレンダイザー!」

フビフビはダイザーの足を膝からもぎ取ろうと掴み上げた。デュークは危機を感じ、ダイザーの体を起こそうとするが、全身麻酔をかけられたように痺れた体は思うように動かす事ができない。バキッ!という鈍い音と共に、ダイザーの足はもがれた。

 

ペガサス、マリア、オックスの三人がこの戦場に着いた時、概にグレンダイザーの戦況は不利だった。左腕を失くし、右足を失ったダイザーの姿に三人は愕然とした。

「兄さん!」

マリアが叫んだ。

「くそっ!」

ペガサスは、肩にかついで来た小型バズーカをフビフビに向けて構えた。照準を合わせ、トリガーを引く。ズバーッ!光弾が宙を裂いて飛び、フビフビの体に命中した。しかし、フビフビの体には傷ひとつつかない。地上の三人に気づいたフビフビは彼等の方へ体を向けた。

「こざかしい奴等め!死ね!:

フビフビは地上めがけてハンマー・バーベルを振り降ろした。

「危ないっ!」三人は弾けるようにその場を飛びのき、岩陰に飛び込んだ。ズシーン!ハンマー・バーベルが大地を抉り、炸裂させる。その時、デュークがやっとの思いで操縦桿に力をこめ、ダイザーを起き上がらせた。と、言っても、右足を失っているので立ち上がることはできない。片膝をついたままの恰好である。

「ふっふっふっ‥‥まだ起き上がれるのか‥‥」

フビフビが不気味に言った。

「その三人に手を出すな!ハンド・ビーム!」

ダイザーの右腕が上がり、フビフビに向かってハンドビームが発射された。しかし、ハンド・ビームはフビフビの体に弾かれてしまう。

「スペース・サンダーッ!」

デュークは続けざまに攻撃をかける。