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ダイザーの両耳の角の先端から頭部中央にバチッと閃光が走ったかと思うと、中央の三本の角から眩しいばかりのビーム光線の本流が放出され、三体の円盤獣を直撃した。円盤獣はスペース・サンダーを受け、光り輝いた。しかし、スペース・サンダーでも効果はなかった。三体の円盤獣はビクともせずその場に立っている。デュークは絶句した。グレンダイザー最強の兵器、スペース・サンダーが何の効果もないとは‥‥。信じられない事だった。これまで地球で何体もの円盤獣と戦って来た。だが、これほど円盤獣に対して恐怖を覚えた事はなかったのである。
「フッフッフッ‥‥どうしたグレンダイザー。それで貴様の攻撃は終わりか?ならば行くぞっ!」
フビフビがダイザーに向かって突進し、ハンマー・バーベルを振りかぶった。ダイザーは片膝をついたままじりじりと後ずさりする。
「ダブル・ハーケン!」
ダイザーの肩の二本のハーケンが閃光を放って飛び出し、頭上で一本のダブル・ハーケンに合体する。フビフビのハンマー・バーベルが空気を切って振り降ろされた。ダイザーは右手でダブル・ハーケンを高く翳した。ハンマー・バーベルとダブル・ハーケンが激突する。------バキッ!と、どうだろう。キーン!と音を立ててダブル・ハーケンの刃が折れ、宙に舞った。
(宇宙合金グレンの刃が‥‥!)
デュークがひるんだわずかな瞬間、ハンマー・バーベルの第二撃がダイザーの顔面を襲った。
「うわっ!」
ダイザーの顔面の装甲が砕け、部分的に内部のメカがあらわになる。ダイザーはもんどりうって倒れた。
「兄さんが!…兄さんが殺されてしまう!…だ…誰か兄さんを助けて!」
岩陰でダイザーと円盤獣の戦いを見ていたマリアは、半狂乱でオックスにすがりついた。オックスは何も言わずに、優しくマリアの肩を抱いた。泣いて取り乱すマリアを胸に、オックスはペガサスの様子を伺った。ペガサスは肩を震わせながらダイザーと円盤獣の戦いを見つめていた。
(‥‥ペガサス‥‥おまえは何を考えているんだ…?)
オックスは心の中でペガサスに問いかけた。と、ペガサスは突然立ち上り、身をひるがえして走り出し太。
「ペガサス!」
走り去るペガサスに向かってオックスが叫んだ。