11話:謎のレッドインパルス
レッドインパルスを健に引き合わせる回。
チェックポイント
- 南部博士の別荘に呼び出される健。
- レッドインパルス「良い腕だ、さすがは南部博士が育て上げただけのことはある」
- ブルーホーク号の護衛が任務。
- ブルーホークは出発前にギャラクターに乗っ取られる。
- レッドインパルスの時限爆弾ミサイル(発信器付き)で、乗っ取られたブルーホークもろともギャラクター基地を破壊。
今回の南部博士
- (通信機に)
健「こちらガッチャマン」
南部「こちら南部。ガッチャマン、すぐに私のところへ来てほしい」 - 健「南部博士、途中でまたレッドインパルスに会いました。凄い腕のパイロットです」
南部「凄い腕のパイロットなら、広い世界のことだ。何人かは居るだろう。そして君の父親もそうだった」
健「お父さん」
南部「君の父親は有名なパイロットだった。だが11年前、南の海で行方不明になった」
健「でも、死んだとは限りません。きっと生きている。そう信じてます」
南部「私の良きテストパイロットだったよ。今は、健、君がそのかわりを務めている。科学忍者隊のリーダーとしても平和のために」
健「博士、レッドインパルスは一体誰なんでしょう」
南部「今にわかる時がくるだろう」
健「レッドインパルスがもしお父さんだったら、ギャラクターなんか……」
南部「ガッチャマン、科学忍者隊に特別任務を命ずる」
健「はい」
南部「トリタン国が、ゴッドフェニックス以上の超性能機を作ったのだ。怪鳥ブルーホーク号だ。マッハ5、航続距離10万キロ。強力なミサイルを装備し、防備も完璧である」
健「すごいなあ。ギャラクターが驚くでしょうね」
南部「アメリス国で開かれる世界航空ショーに、この怪鳥ブルーホーク号を出場させることになったのだ。科学忍者隊はアメリス国まで、怪鳥ブルーホーク号を護衛するのだ」 - (電話で)
南部「南部です」
声「こちら、国際科学技術庁。怪鳥ブルーホーク号が奪われました」
南部「何?」
声「パイロット全員は控え室でやられています。至急、ゴッドフェニックスに連絡してください」
南部「ああ、待て。残念ながらゴッドフェニックスでもブルーホークには太刀打ちできまい。みすみす科学忍者隊を見殺しにするようなもんだ」
声「それではどうするんですか、博士」
南部「私が指揮をとる。まかせたまえ」
南部「やっぱり出てきたか、ギャラクター」 - (通信機に)
健「こちらガッチャマン」
南部「こちら南部。G1号およびゴッドフェニックスは直ちに帰還せよ」
それだけじゃ訳がわかりません。ちゃんと乗っ取られたって言わないと……。レッドインパルスは知ってるわけで。
健「え、博士。ブルーホーク号はレッドインパルスに攻撃を受けたんです。G1号はレッドインパルスを追跡中」
南部「追跡を止めるんだガッチャマン」
健「レッドインパルスは敵だったんです。相手に不足はありません。やらせてください」
南部「やめろ、健」
健「許して下さい、博士」 - (ゴッドフェニックスに通信)
南部「レッドインパルスは科学忍者隊と同じように、世界の平和を乱す者と戦う正義の使者だ」
甚平「おいらたちの仲間なんだね」
南部「そうだよ」
甚平「負けねえぞレッドインパルスなんかに」
南部「その意気だ頑張れ諸君」
乗っ取られたことを伝え忘れたのを誤魔化そうとしてませんか南部博士。
ジュン「博士、お願いがあるんです」
南部「言ってごらん」
妙に優しい口ぶりも、心に引っ掛かることがあったからじゃないの?
ジュン「健を、ガッチャマンを叱らないでください」
南部「わかっているとも、ジュン」
乗っ取られたってころっと言い忘れたの、南部博士の方だもんねぇ……。健を叱れる立場じゃないわな。
感想・考証・議論
南部博士の指令の方に突っ込みどころ満載の回。
南部「トリタン国が、ゴッドフェニックス以上の超性能機を作ったのだ。怪鳥ブルーホーク号だ。マッハ5、航続距離10万キロ。強力なミサイルを装備し、防備も完璧である」
健「すごいなあ。ギャラクターが驚くでしょうね」
南部「アメリス国で開かれる世界航空ショーに、この怪鳥ブルーホーク号を出場させることになったのだ。科学忍者隊はアメリス国まで、怪鳥ブルーホーク号を護衛するのだ」
ゴッドフェニックス以上の性能を持つブルーホーク号に、何故ゴッドフェニックスの護衛が必要なのか、さっぱりわかりません。ギャラクターに襲われたって、ゴッドフェニックスの手なんか借りずに、ブルーホークで充分撃退可能だろうと。なお、設定によるとゴッドフェニックスの最高速度もマッハ 5.0なので、航続距離で抜かれているらしいのと、バードミサイルでブルーホークは堕とせないがブルーホークのミサイルをくらうとゴッドフェニックスが危険、ということなんでしょうかね。
設定回りを見ていると、4歳の健を南部博士に預けて鷲尾健太郎氏がホントワールに出向いたのが14年前となっている。今回、南部の口からは行方不明になったのが11年前と語られた。スパイしに行った後、こりゃ本格的にヤバイ相手だということがわかって、行方不明にすることを決めるまでに3年かかったということなのだろうか。
南部「こちら南部。G1号およびゴッドフェニックスは直ちに帰還せよ」
ブルーホークが既にギャラクターに乗っ取られているという肝心の情報を、レッドインパルスにだけ伝えて忍者隊に伝えないから、健は勘違いしてレッドインパルスを追いかけ回すし、残る4人も、
ジョー「健のやつめ、俺達に護衛をさせておいて、一人で抜け駆けをやりやがったな」
甚平「まったく調子がいいぜ」
ジュン「健、大丈夫かしら」
竜「ん、おかしいわ。ブルーホーク号はアメリス国に向かっとらん」
と、帰還命令が伝わって無くて、のんびりブルーホークと並んで飛んでいる。健に伝わらなかったとしても、ゴッドフェニックスは呼び出せるんだから、残る4人に別途帰還命令を出さないと、ねぇ。どっちにしても、「私が指揮をとる。任せたまえ!」などと言っておいて、ブルーホーク号が乗っ取られてることを忍者隊に言うのをころっと忘れた南部博士が悪い。
というか、全体を通してみると、南部博士が、ブルーホーク乗っ取りを黙っていたことが、健とレッドインパルスを引き合わせる結果になったわけで、むしろそっちが南部博士の真の狙いだったのかとさえ思えてくる。うーむ、策士だな、南部君。
南部博士のメガネにツルが描かれている珍しいシーン。 | |
受話器を持ち替えた後も、ツルありメガネで描かれている。このシーンの直後には、またツル無しに戻っている。 | |
このレッドインパルスの銃は何だろう?トリガーの前に弾倉は、モーゼルが有名で、ロングマガジンとして描かれているので、M1932 Schnellfeuerかと思った。が、 の、銃身が細いイメージだと合わないし、グリップの形も先端が丸い感じではない。むしろ近いのは、BERGMANN-BAYARD M1910 の方か。まあ、形は微妙に違うので、該当する実銃があるかどうかは不明だが。 |