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F-30話:忍び寄るエイリアン

 マーストラ登場。火星の微生物を強化してニュージョーク市の水道水に紛れ込ませ、窒息事件を引き起こす。忍者隊も犠牲になりかけるが、居合わせたロバート少年に助けられる。ロバート少年に微生物が寄生するが、水道が使えず手術ができない。核のない生物なので操ってる親玉を見つけて倒す。

チェックポイント

  • マーストラが今回の指揮官。
  • カプセル入りの生物を投下。水道から出て来る生物によって人が襲われる。
  • 調査に行った先でロバート少年に助けられる甚平。
  • 出撃すると長官宛に報告書を書かされる……らしい>忍者隊。
  • どれかが親玉だろうと甚平が言ったので親玉捜し。
    核のあるものを見つける。
    エンジンを停止させて取り囲ませる。その後機内の温度を上げる。
  • 微生物のかたまりから一つ目の巨人出現。ハイパーシュートで撃破。
  • マーストラの円盤を破壊する忍者隊。援軍を派遣せず放置するエゴボスラー。マーストラ戦死。

今回の南部長官

 ニュージョーク市とISO本部が舞台なので、南部博士率の高い回。南部君のファンならこの回は押さえるべし。普段は、基地のモニター越しにしか出てこない南部君だが、この回はナマ南部君登場しまくり。

  • 長官室に忍者隊集合。
    南部「死因はいずれも窒息死だ」
    ジュン「ギャラクターのしわざでしょうか」
    南部「おそらくは…だが今の所奴等が大量に潜入した気配はない」
    ジョー「じゃあ一体どうやって。まさか殺人鬼を飼ってるわけじゃあるまいし」
    南部「この手口を考えると、そうではないかと思える。敵がどこから来てどこへ去っていったのか、まったくもって不明だ」
  • 電話が鳴る。
    南部「何、リバーサイドパークでまた被害者が?」
  • (長官室)
    南部「そうか、退治したか。それはお手柄だった。で、その生物の残骸は?」
    健「それが、一瞬のうちに縮んで……」
    南部「なくなったというのか」
    健「ええ……何か」
    南部「一体どんな生き物か知りたかった
    ジョー「色や形は今でもはっきり覚えてます。説明しましょう」
    南部「何、報告書に書いてくれればいい。ところでその少年は?」
    健「ジュンと甚平が病院に運びました」
  • 職員が駆け込んでくる。
    職員「長官!」
    南部「どうした?」
    職員「また同様の被害が。場所はやはり市の全域に及んでいます。今回は目撃者もいます。不気味な、粘液状の生物です」
    ジョー「同じだ」
    竜「まだ何匹もいたんか」
    職員「市民が発砲すると、みるみる縮んで見えなくなったそうです。
    南部「伸縮自在だとすると、まだ生きているかもしれない」
  • 南部「ニュージョーク市の警戒態勢を強化する。君たちもパトロールにあたってくれ」
  • 女性の悲鳴。
    女性「水道の中から奇妙なものが……」
    実験室に行く忍者隊。南部長官も追いかけていった模様。
01.png 天井から微生物が飛んでくるのを難なく躱すジョー。
02.png 羽根手裏剣でジョーが退治しようとしたら、
南部「ジョー、待て!」
結構なスピードで南部長官が走り込んでくる。どうするのかと思ったら……。
03.png 南部長官、思いっきり謎の微生物を踏んでます(大汗)。チャバネゴキブリならともかく、どう見てもバイオハザードの原因なのに、そんなにあっさり踏みつけて大丈夫なんですか……。南部長官の度胸にモエス。あと、「どんな生き物か見たかった」と言っておいて、ほとんど見ると同時に踏むって……。菌とかアメーバの類に対してはドSでしたか、南部長官。
04.png 踏まれて小さくなったところを、(さすがに素手じゃ危ないから)ピンセットで……。
05.png 捕獲終了。
でも、何だかわからない上に死人続出の微生物を扱うのだから、眼鏡手袋マスク着用、できれば対BC兵器用の防護服がほしいところ。

いかにも手慣れたISOの職員さんと、それを当然のように見守る南部長官。もしかして、ISO本部内にゴキブリが出たのを南部長官が踏んで退治するもんだから、それを後から回収する、とかいうのを日常業務的にやってたり……しませんか?あの敏捷な走りと思い切りのよい踏み方は、どうも普段から何かを相手に「練習」してたとしか思えないんですが。
  • 健「長官、水道にこの生物が潜入したとすると」
    南部「水道の使用を一切禁止するんだ」
  • さらに生物発見。
    健「南部長官!」
    南部「わかった。浄水場の警備を厳重にし、出水口の扉をすぐ閉じさせよう」
06.png ロバート少年が感染しちゃったもんだから、治療法を探すために研究中。
そうそう確かにガラス窓越しにこういう扱いにでもしないと、危なくて仕方がないわなぁ。
長官になってから戦闘指揮ばっかりだったのだけど、珍しく実験している南部長官のシーン。
07.png 南部「もういい」
甚平「治療する方法は」
首を振る南部。
甚平「それじゃロバートは」
08.png ジュン「長官!この生物には核がありません」
……そんな、ゾウリムシ見るような気軽さで言うなと。バイオハザードまっただ中なんだから、せめて白衣手袋マスク防護眼鏡を着用してだな……顕微鏡もレベル4位の実験室に突っ込んでおけと。南部君も落ち着いてる場合じゃないぞ。
09.png 南部「そうなんだ。核を持たぬ生物など考えられない。原生動物のアメーバでさえ核を持つというのに。そんなバカなことがあるだろうか」
つまり単細胞以前だったと、そういうことですか南部長官……。
首をかしげている南部君という、これも珍しいシーン。
そんなシーンはジュンにも珍しかったらしく、びっくりした表情で南部長官を見ています。
髪の毛の乱れ具合といい、細めて考え込んでる目といい、珍しく癒し系キャラになってる南部君でした。

 傑作だったのがその後のシーン。健達が、上空に舞い上がった微生物を破壊しようとして破片が降り注いだ後。

10.png ISO本部までこの有様なわけですよ。
11.png 調べ物中の南部長官。かなり大判の本ですが、変な微生物について調べているのなら、まあこんな感じでしょう。生物関係の本は図や写真が多いので、大判であることが多いんですね。「Molecular Biology of the Cell」とか「Microbiology」とか、医者向けの細菌学やウイルス学なんかも、軒並みタウンページ級の上、カラー印刷で紙質がいいから、持って殴れば凶器になります……。
12.png 怪しい気配にふと振り向くと……。
13.png 窓の隙間から微生物が侵入中。「ごめんくださいお邪魔します」……私の空耳でした。
思いっきりヤバイものを見てしまって思わず固まる南部君。
「一体どんな生き物か知りたかった」などと、熱烈なラブ・コールを送っていたくせに、いざ相手がお近づきになりたいと積極的に寄ってきたらこの反応。
14.png うっわー、焦ってる焦ってる……。もう目がテンになったという感じですが、タツノコはそういう演出はしないので……。
しかしこの微生物相手に、ツンデレの逆をかましてくれてます。まだ見ない間はデレてラブコールなのに、近寄ってきたらツンですかそうですか。
この回の作監さんは、ちょっと若々しくて凛々しい南部長官のアップを前半で連発してくれてるので、この表情との落差がまたすごいんですよねぇ。
15.png 思わず立ち上がって本を床に落としてしまう。核攻撃の危険が迫っても動じなかった南部君にしてはえっらく慌ててます。「国際科学技術庁は私の船だ。船と運命を共にするのは船長の義務だ」(17話)とか言い切ってたくせに……。
ジョーの前では勢いで踏んでましたけど、本当はこの手の生物は好きじゃないんでしょうかね。空気感染するくらい危険なら焦るのもわかりますが、被害があるのは、直接肌に触れた場合だけで、その程度のことはさっきの研究で解ってるはずですよね。
16.png で、忍者隊が核を破壊し出てきた巨人も撃破した後、微生物は急激に縮んで消えていく。

わざわざ足元に居るって、微生物の方はもう一回南部君に踏まれたがってるようにしか見えないんですが。
17.png 南部「うう、ああ……」
やっぱり本気で焦ってたみたい。もしかして卒倒しかかってる?
ISOが謎の微生物まみれになってから、完全撃破までに少し時間があったっぽいわけで。で、この背景は長官室なんですが、とりあえず走って部屋の外に逃げ出すとかいうこともせずに、南部長官はその場でそのまま固まっていた模様。
18.png 微生物が消え去ったのを見た後のこの嬉しそうな顔。
あの〜、もういっぺん踏みつけようとは思わなかったんですか、南部長官。

いずれにせよ最初に踏みつけたシーンが強烈すぎて、ドS南部君とドM火星由来微生物、という、こんな組みあわせで萌えていいのかどうか微妙なモノが頭にちらついて離れないわけですが。
19.png 嬉しそうな顔、さらにもう1カット。
あの微生物を容赦なしに踏みつけたくせに、部屋に侵入されると本気でびびっていた南部君ってかわいいです本当に。実は案外小心者?実験材料相手にこのヘタレな反応は萌え要素満載かと。ってか、10話の「眼鏡がスイッチっぽい」に続いて萌え死にしそうになりましたよ、私ゃ。固まってる南部長官を指でつついて反応を見たいなぁ、と思った次第。

 ってなわけで、台詞入れてみた。

gatchaF-30-1.png

gathcaF-30-2.png

 

 そして、出会ってしまってから交わされたであろう会話。

(ISO本部・長官室にて)
南部「誰かね?」
火星アメーバ「こんにちは、さっきはどうも。また踏まれに来ましたよ」
南部「え……?」
火星アメーバ「……」(窓ガラスの隙間からどんどん長官室内に侵入)
南部「うわ……」(思わず立ち上がり、本を取り落とす)
火星アメーバ「何をそんなに慌ててるんですか」
南部「ちょっと待て、その前に物理法則をいきなり無視してないか?窓は密閉してあるはずだぞ!」
火星アメーバ「物理法則通りですよ。超流動って知りません?原子1個の隙間でも楽勝♪」
南部「そんなことは知っているが、あれは極低温のしかもヘリウム4の話だ!アメーバの超流動なんて見たことも聞いたこともない!」
火星アメーバ「じゃあこの現実をどう説明するんです?」
南部「う……」
火星アメーバ「まあ細かいことはいいんじゃないですか」
南部「良くない!一体誰の許可を得てこの長官室に……」
火星アメーバ「”一体どんな生き物か知りたかった”なんて言って会いたがってたじゃありませんか」
南部「確かにそう言ったが、もう会っている。さっき実験室でお前の仲間をいろいろ調べた」
火星アメーバ「だけどよくわからなかったんですよね?」
南部「……(図星だ)」(額の汗を拭う)
火星アメーバ「それにガラス越しだったし。もっとじっくり近くで調べたいと思いませんか?」(と、窓から床に落ちて南部の方に進む)
南部「こ、こっちに来るな。大体、直接触ると窒息死か、そうでなくてもややこしい感染症を引き起こすだろうが!散々犠牲者を出しておいて、ガラス越し扱いに文句を言えた義理か」
火星アメーバ「まーでも別に悪気はないし」
南部「悪気の有無の問題じゃない!頼むから近付かないでくれ……」
火星アメーバ「でもさっきは踏んでましたよね」
南部「ついゴキブリのつもりでだな……」
火星アメーバ「ひどいなあ、ド普通種のゴキブリよりはずっと希少種ですよ」
南部「だったら希少種らしく、大発生も大増殖もしないで、おとなしくその辺の標本箱に収まっていたまえ!」
火星アメーバ「……」(足元まで来て南部の靴を触る)
南部「……」(貧血で目眩を起こし、思わず右拳で顔を覆う)
火星アメーバ「……あ、本体の核がやられちゃったみたい。残念だけど消えますね」
南部「うぅ……あぁ……あ?(ガッチャマンよくやった……)」

 

 

 

 

 

感想・考証・議論

 エゴボスラーは部下を上手く統率していて、部下の仲違いはないが、指揮権を奪いに来たマーストラは見殺しにしている。