53話:さらばレッドインパルス
前半一区切りの回。
チェックポイント
- 三日月基地で待つ4人。
- ギャラクターからの降伏勧告のテープが送られてくる。
- 各国大統領はISOの結論待ち。←それなりにISOは力を持った組織だということらしい。
- バンアレン帯を押し戻すミサイルをギャラクターが持っているので、奪いに行く作戦。
- 健もレッドインパルスも兵士になりすましてミサイル製造現場に潜入。
- コンピューター制御が間に合わなくて人が操縦するタイプに。
- アンダーソン「宇宙船より12時間ごとに送ってくる写真です。ごらんの通り、炎は拡がってくる。各国代表のみなさん、議論は出尽くした。結論を急ごう。」
- 竜「南部博士が改造してくれたんで、バードミサイルは使えるぞい」←全部合体してなくても大丈夫になったらしい。52話でジュンがやったことを考えるに、改造とかもったいつけてるけれども、ひょっとして「単にもっとぶっとい線でつないでおきました」とかそういう感じ?
- 健からバードスクランブルで連絡。
- レッドインパルス「ベルクカッツェの言う通りだ。このミサイルは人が乗らなければ動かない。諸君、後を頼むぞ」
- 親子の名乗りを上げたレッドインパルスがミサイルで特攻、地球を救う。
今回の南部博士
- 南部「諸君、今朝ほど国際科学技術庁にギャラクターよりテープが送られてきた」
- 南部「時間だ、我々には時間が無いから不利なのだ」
- 南部「わかりきっている。ミサイルだ」
- 南部「理屈でいえば降下したバンアレン帯を下から強烈な爆風で再び大気圏外へ吹き飛ばせばいいのだ。だがこれを行うには強力なミサイルが必要だ。今から国際科学技術庁で作っていたのではとても間に合わん」
- 南部「ふむ……私はすぐに国際科学技術庁に戻らねばならん。諸君、しっかり頼むぞ。行け!」
- 南部「あ、ジュン」
南部「もしどこかで健に会ったら、悩むことはない、帰ってくるように言ってくれたまえ」 - 南部「待ってください。結論を出すのは早すぎます。我々にはまだ半日の時間が残されているのです」
- 南部「ご覧の通り、防犯用のオートロックです。これから12時間、このドアは開きません。皆さん、冷静になって考えてください。今、ギャラクターに降伏すれば、たとえ地球は助かっても人類は滅んだのと同じことになるのです。待ってください12時間。乱暴な行動だとは思いますが、皆さんが帰国して大統領に結論を報告するのは、明日の朝まで待ってもらいます」
アンダーソン「気持ちはわかりますが南部博士、我々にはもはや何の策も無いのですぞ」
南部「いや、科学忍者隊があります」 - 南部「信じています」
- 南部「南部だ」
- 南部「そうか。レッドインパルスが……」
- 南部「皆さん、科学忍者隊よりただ今連絡が入りました。地球は救われました。私の良き友達の犠牲によって」
- 南部「さらばだ、レッドインパルス。私は、君や健に、何と言って詫びれば済むのか……」
感想・考証・議論
健とレッドインパルスが初めて親子の名乗りを上げて対面する感動的な回。ただ、そっち方面は既にいろんな人が書いているので、ここでは南部博士に注目してみた。
感動の親子の再会に隠れて注目されてないかもしれないが、ベルクカッツェが間抜け過ぎる件。V2計画スタートのタイミングはベルクカッツェが一方的に決められたはずなのに、バンアレン帯を押し戻すミサイル製造が間に合わないっていう計画性の無さはどうなんだと。誰かが犠牲にならなければならない有人ロケットとしてミサイルを作るというのも、大丈夫なのかと言いたくなる。というかカッツェの人を見る目って……。もし、ISOと各国がギャラクターに降伏したとして、「さあ誰か犠牲になってバンアレン帯を押し戻しに行け」とカッツェが命令したとして……一体だれが行くんだろう。人のことは構うな、がポリシーなら、ギャラクター兵士の中に、自己犠牲の精神を持った人など居ないはずだし、そもそもが世界征服に伴う現世での利益を求めて集まった集団なんだから、死んだら意味がないし自分だけ死ぬなんてまっぴらごめん、という人ばっかりじゃないの。誰を乗せても拒否しそうな予感が……。忍者隊の誰かやレッドインパルスだったからちゃんと特攻しに行くことが期待できるわけで、ギャラクターから人選してたら作戦は失敗だったんじゃないかと。
ギャラクターから送られてきたテープ。再生装置に、律儀にギャラクターマークがついているのが笑える。 ギャラクターブランド(あるのかそんなの)なのか、どっかのOEMなのか……。 |
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バンアレン帯を押し戻すことが可能だと説明する南部博士。 V2計画の内容について、前回の様子では南部博士は予め把握していたようだが、超大型ミサイルで対応可能ということがわかりきっていながら、ISO側で何の対策も無かったところをみると、内容を把握したのはかなり最近であったと思われる。 |
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健に戻るように伝えて欲しいと言ったときの南部博士。目がやさしい。 | |
ISOの会議室。横の斜めになった部分は席なのか?作画からはよくわからないが、部屋がちょっと広すぎる気も。 | |
会議場を封鎖する。 | |
ロケットの内部はかなり広い。 | |
一夜明けて。 南部博士はロックの前でずっと立ち続けていたらしい。 |
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レッドインパルスの訃報を聞いて涙。 前半でかなり印象的なシーン。 南部博士は、涙もろいというのとは対極にあるキャラなので、余計に印象に残る。 |
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これで落っこちない眼鏡がある意味驚異的なわけですが。 | |
全員居る方を向いてることがわかるシーン。 | |
ショボーンな南部博士。 | |
泣き出しそうな表情のまま…… | |
涙を拭いつつ立ち去る。 | |
背景のピントをぼかしつつ、南部博士の後ろ姿に焦点を合わせ、廊下に靴音だけが響く演出が決まりまくっている。 | |
歩きながらもやっぱりしょんぼりな南部博士。 |
当初は、放映は1年やってこの回で盛り上げて終わらせるつもりが、直前になって延長が決まったらしい。
継続がいつ頃決まったのかは資料が無くてわからないのだけど、もし、この回で終わらせるつもりなら、ギャラクターの本部がホントワールにあった、という話になってないとまずいだろう。V2計画の被害から地球を救い、カッツェを逃がさず仕留めたとして、総裁Xが丸ごと残ったのでは最終回としての決着はついていないことになる。レッドインパルスの死も途中で決まったらしいが、仮に生かしたとしても、最終決戦では総裁Xまで倒すか追い払うかしなければならないわけで、ホントワールが出先の基地の1つ、というだけでは後に謎が残ってしまう。
南部博士とレッドインパルスはV2計画を探っていたらしいが、本編が始まってからの作戦では「ギャラクターの本部を探せ」の方が強調されていた。レッドインパルスを送り込んで十数年だということが語られたが、計画の名称そのものが登場したのは直前になってからである。IIのソーラーシフト計画やFの宇宙パルスの謎の話が、最初の方からしばしば出てきて、解くべき謎として最後まで話を引っ張ることになったのは、V2計画が唐突に出てきた部分の改善の意味もあったのかしら。