30話:ギロチン鉄獣カミソラール
南部博士、ぶっ飛びすぎ……。
チェックポイント
- ISOは人工降雨の計画をたてる。
- 人工降雨のロケット発射場のところに来ている健。
- カミソラールに接触して尾翼にヒビが入るゴッドフェニックス。他の部分もダメージが大きい。バードミサイルも効かない。海に潜って逃げる。
- 特殊フィルターでカミソラールの姿が見えるようになる。
- 発生した大型台風に巻き込まれてカミソラールは爆発。ゴッドフェニックスは何とか脱出。爆発のせいで穏やかな低気圧になってめでたしめでたし。
今回の南部博士
- 健「こちらガッチャマン、どうぞ」
南部「緊急事態発生。ギャザー、ゴッドフェニックス発進せよ」 - 南部「科学忍者隊の諸君、実は大変面倒な事態が起こった」
健「何ですか博士、その面倒な事態とは」
南部「うん。さっき入った連絡によると、世界各地で謎の連続爆破事件が発生したのだ。しかもそれが化学工場やダム、それに港などの重要な場所ばかりを狙ってきたらしい。その被害は計り知れないものがある。ところが犯人の姿が見えないのだ。あれだけ暴れ回ったのに、誰一人目撃した者が居ないのだ」
健「見えない敵か。またちょっと苦労しますね」
南部「そこで諸君の使命だが、まず敵の正体をつかみ、その能力を探って欲しい。いいか、それが先決だ。十分気を付けて、任務を完遂せよ」 - 南部「間違い無くギャラクターが発明した新兵器だ。しかし一体どんな武器を。健、ビデオを回してくれ」
健「はい」
南部「止めろ」
甚平「どうしたんですか博士」
南部「なるほど、敵はマッハ10以上のスピードで飛んでいるぞ」
ジュン「マッハ10?」
南部「そうだ。だから肉眼には姿が見えにくいのだ。しかも敵は、スリップストリーム現象を巧みに利用している」 - 南部「つまり真空切りのことだ。見たまえ、あの切り口はスリップストリームの特徴だ」
- 南部「うーん。健、もう一度ビデオを見せてくれ」
- 南部「うーん、ひょっとすると火事から逃げ出したのかもしれないな」
- 南部「見たまえ。これだけの大火災を各地で起こしたため、上空は高熱によって渦を巻いている。しかも、地球は異常乾燥だ」
ジュン「当然、フェーン現象が起こってますね」
南部「一種の台風を巻き起こす可能性を秘めているわけだな」 - 南部「そうだ……読めたぞ。敵は真空切り、つまりスピードが武器だ。ということは、乱気流や真空には、弱いということになる。もし真空状態にある台風の目の中に閉じ込めてしまったら、ひとたまりも無いだろう。これが多分敵のウィークポイントだ」
健「しかし博士、台風の目の中は穏やかな晴天で」
南部「それは台風の目が広くて大きいからだ。つまり台風の目が狭いと、周りを乱気流で取り囲まれて、目の中は完全に真空状態になり得るのだ」
健「というと」
南部「健、人工降雨の計画は確か明日だったな」
健「はい、今最後の準備にとりかかっています」
南部「いけない、それは却って危機を招くことになるぞ」
甚平「博士、どこへ?」
南部「ベルクカッツェは明日プレゼントをすると言ったぞ。何をぐずぐずしている。急いでゴッドフェニックス発進態勢につくんだ、行け」
ひらめいた瞬間部屋を飛び出して行く博士。ラジャーとは言ってみたものの具体的な指示は何ももらってない忍者隊。 - 指令「え、人工降雨計画を中止しろですって?」
南部「そうだ指令、すぐに中止命令を出してくれたまえ」
指令「しかしですな博士、これは国際科学技術庁の本部の決定に基づいて行動しているんです」
南部「指令、何でもいいからすぐに中止するんだ」
指令「博士、あなたは水不足で苦しんでいる全国民を見殺しになさるおつもりですか」
「人道問題だ」
「博士にそんな権限は無いはずだ」
南部「待ちたまえ、諸君。私は雨を降らせることに反対しているのではない。いやむしろ大豪雨を望んでいる。それも今度の計画のように、ちゃちなものではなく、1000ミリか、それ以上の大規模な集中豪雨をだ。それには計画を変更して、化学ロケットも倍以上に増やさなければならないんだ」
指令「待ってください、そんな無茶なことをして、超大型の台風でも引き起こしたらどうするんですか」
南部「それこそ私の狙いなのだ」
指令「何ですって?それじゃあ台風の方の被害はどうなるんですか」
南部「そう、多少の被害は覚悟せねばならないだろう」
「冗談じゃない、気違い沙汰だ」
「精神鑑定を受けろ」
南部「いや、私は本気で言っているのだ」
指令「じゃあ、理由を言ってください、理由を」
南部「ギャラクターを壊滅させるんだ。いいか諸君、さきほど世界各地で続発した一連の真空切り事件は、ギャラクターの仕業なのだ。もし、彼等の最終目標が我々の原子力コンビナートだったらどうする」 - 南部「それこそ放射能が全世界にまき散らされて、地球破壊の日が来るんだ。台風の被害とは、比較にならないではないか。これを食い止める方法は、おそらく、ただ一つしかない」
指令「その唯一つの方法とは」
南部「今は言えない。ただ、この機会をおいては、世界の平和を守る日は無いということなんだ」
指令「そのために台風を起こす必要があると言うんですか」
南部「そうだ。その通りだ。地球の危機はすぐそこまで来ているのだ」
ここまで強引に割り込んでおいて、ただ一つの方法を言えないって、実は自信無かったのか、南部博士……。 - 南部「間違い無い。ギャラクターは、必ず原子力コンビナートを狙って現れるはずだ。キャッチしたら、人工降雨の実験海域までおびきよせるのだ。成功を祈る」
- 指令「博士、発射準備はすべて完了しました」
南部「そうか、台風の進路にあたる住民達の避難は完了したか?」
指令「はい。国連軍の手によって、すべて完了いたしました」
南部「ありがとう。ロケットの発射を開始してくれたまえ。奇跡の起こることを祈る」
指令「了解」 - (モニターが乱れたとたんに)
南部「どうした、健、大丈夫か」
感想・考証・議論
今回の南部博士、最初から結構気合い入ってます。 | |
人工降雨計画の司令室に乗り込んで、中止せよだの変更せよだの言いまくる南部博士。当然周囲からは非難囂々。 | |
気違い沙汰だの精神鑑定を受けろだの言われまくりの南部博士。 慌てたのはわかるが、せめてアンダーソン長官あたりに話通しておけってば……。 |
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結局、南部博士のプランに従いロケットの数を突貫工事で増やして大型台風発生のレベルにまでもっていく羽目になった、人工降雨チームの皆さん。ぎりぎりになって計画に割り込まれた指令役の人。まとめてお疲れさま。 発射直前に、南部博士と指令が交信しているシーン。 吸い殻の山は南部博士か?指令の方は白手袋だし。一応、ISOのオフィスの机に灰皿、という伏線はあったわけだけど。まあ、忍者隊の前で吸ってるシーンは今のところ無いが、アンダーソンに火を差し出すシーンはあったなぁ。 |