52話:レッドインパルスの秘密
ISOがザルだということがさらに発覚。
チェックポイント
- キャタローラーを探す健。
- 甚平「ふーん、おかしな話だねぇ。アニキの部屋狙ったって、お金なんかあるわけないのにさ」
健「ま、その通りだ。だから今日のも……わかってるな」
甚平「え、またツケかい?アニキそろそろ払ってくれよ。お姉ちゃんうるさいんだからさ」 - ジュンの店の前で、健の幼なじみのサブが撃たれる。かすり傷なので医者を呼ぶ。
- サブが来て、一週間前に泊まったホントワールの安ホテルで、健の父親を見たという。
ホントワールへ行くことを甚平に告げる健。 - ホントワール国の科学者の訪問を受ける南部博士だが、科学者の正体はカッツェ。
- ホテルに行って、部屋ごと捉えられる健。
- N「バードミサイルや火の鳥は、G1号からG5号までが完全に合体して、初めて配線がつながり使用できるようになっている。ジュンは、G1号が欠けている部分をコードでつなごうとしたのである」
- カッツェ「私はあのにっくき南部をじわじわと苦しめてやる」←忍者隊を恨むというよりも南部博士を恨んでいるのか?
- 捕らえられてむち打たれる健の前にレッドインパルスが3人で登場。
- レッドインパルス「馬鹿者、そんなことを言ってる場合か。いいか、ギャラクターはバンアレン帯を降下させる特殊ミサイルを打ち上げようとしているんだぞ。もしこれを阻止できなかったら、この緑の地球は永久に消え去るのだ。わかったか健、そうなった時の責任を一体誰がとる。親だの息子だのとわめいている時か!」
- バン・アレン帯を降下させるミサイル発射。
- N「その日、北極海の上空で大きな炎が拡がった。ギャラクターの打ち上げたミサイルが爆発し、バンアレン帯が地上に降下し始め、大気に突入して空気とぶつかり合い、燃えだしたのである。放射能による熱気は、たちまち氷山を溶かし、津波となって南下した」←バンアレン帯を降下させることが可能かどうかとか、バンアレン帯が降下というかその場に無くなった場合に何が起きるかというあたりは、タツノコの発想だそうで……多分小隅センセはスルーだったんじゃないかな。まあそういう世界だということで。
- N「このとき、幼友達に裏切られ、父にも会えず、ゴッドフェニックスにも戻れぬ健は、地球に最後が近付きつつあるのをまだ知らなかった」←レッドインパルスはちゃんと今地球がどんな危機にさらされてるか伝えているわけで、普通ならミサイルの発射を食い止められたか、それとも発射されちゃったかを調べるとか何とかするだろう。ミサイルの威力を知らされていながら完全スルーしてこの態度って、いくら何でも健が間抜け過ぎな気が……。
今回の南部博士
- 南部「そうか、とうとう完成したのか。V2計画が」
科学者「さよう、後は実験を行うのみじゃよ」
南部「気違い沙汰だ。すぐにその計画をやめるべきです」
科学者「うむ、条件によってはな」
南部「条件?」
科学者「世界各国がギャラクターとホントワール国に降伏するならば」
南部「バカな、そんなことができると思うのか」
科学者「それじゃあ、V2計画を実行して、地球全体を火の海で包んでやるか」
南部「うぅ……うーむ」
科学者「生き残るのはギャラクターだけじゃ」
南部「何?」
科学者「ギャラクターは生き残る。いや、ギャラクターがいよいよ地球を戴くのじゃ」
南部「お前は……お前は誰だ、ホントワールの科学者ではないのか」
科学者「はははは、まだ気が付かんのか南部博士」
南部「そ、その声は……ベルクカッツェ」
カッツェ「一週間待とう、南部博士。降伏するか、V2計画を実行するか」
南部「ううむ……貴様、よくも……」 - 南部「何い、健が父親を捜しにホントワールへ行ったと?」
甚平「うん、そうなんです。おいら止めたんですけどね」
南部「ばかもの、何という身勝手なことをしてくれたんだ」
ジョー「ブレスレットで呼び出したらどうだ」
甚平「やってみたよ。でもアニキ、通信装置を切っちまってるんだ」
南部「何てことをしてくれたんだこの大事な時に……一刻を争う時だ。この任務は君たち4人に命令する。これは、レッドインパルスが撮影したホントワール国の航空写真だが……」 - 南部「ホントワール国がギャラクターの協力のもとに完成した、V2計画のミサイル発射場だ。君たちに、ここを叩いてもらいたい」
ジョー「V2計画とは一体どんな計画ですか」 - 南部「うむ、君たちも知っての通り、この地球を包んでいる厚さ6万キロの管のような磁気圏がある。地上千キロの空間から始まり、6万キロの高さで消えている大きな帯だ」
- 南部「そうだ。この磁気圏は、太陽から放射される陽子や電子を捉えてしまう、いわば地球の安全を守るための帯だ。V2計画とは、特殊ミサイルを爆発させ、このバン・アレン帯を降下させる実験だ」
- 南部「もしもそうなったら、どうなると思う?強烈な放射能は天空で燃え、異常高温は地上を包み、人類はじわじわと死に絶えてしまう」
- 南部「そんなことを言っている場合じゃない。さあ、すぐに出動したまえ!」
- 南部「いや、諸君。健を責めないでくれ。むしろ私が責められるべきなのだ。ちょうどいい機会だ、君たちに話しておこう。もう14年前のことだ。ホントワール国がギャラクターと組んでV2計画の準備を進めていると知ったとき、私の研究所のテストパイロットをしていた一人の男に、ホントワール国に潜入し、その計画書を手に入れるように要請した。だが、悪の一大組織と一つの国家を相手のスパイ行為だ。万が一家族に危害があってはならないと、男はその時4歳の子供を私に預けた。そして、南の空で事故を起こし死んだと見せかけ、名を消し、姿を変え、ホントワール国に潜入した。そう、その男、レッドインパルスが健の父親だ」
- 南部「このことを早く健に教えておけば、健も悩まずにすんだろうに」
感想・考証・議論
演出はわかるがいろんな意味で健が間抜け過ぎる。
泥棒に入られた健の家。いつぞやの出撃の時も、ドアを開けっ放しにして飛び発って行ったので、まあ入りたい放題ではあったに違いない。 | |
スナックジュン内部はそれなりに広い。ジュンが演奏しているのはデーモン5の音楽。ジュンはギターも弾けることがわかる。 | |
いい加減ツケを払えといわれた健。 この絵を見て、写楽のこれ↑を連想したのだが……。もっと似た絵があったかもしれない。いずれにしても浮世絵のパロディのコマじゃないかと。 |
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ホントワールの科学者を自称する老人の訪問を受ける南部博士。V2計画が完成したと知ってさすがに厳しい表情。 というか、あっさり、ISO本部ビルの南部博士の部屋にまで通しちゃったらダメだろう。ISOのセキュリティ、ザルもいいところ。おちょくりに来たカッツェだから南部博士は無事で済んだのであって、この場で自爆テロでもされたらおしまいなのでは。おまけにISO内部にはスパイも居るみたいだし。こんなんだから「敵を欺くには味方」なんてことをしょっちゅうやる羽目になるわけで。 |
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博士の瞳、微妙に青いがはっきりしない。 | |
降伏しろと言われて拒否。 | |
やっぱり青色の瞳。 | |
こちらの方が、より青色の瞳だとわかりやすい。 | |
健の部屋。飛行場だというだけあって、一応は、管制装置その他もちゃんと備えている。 | |
V2計画のミサイル。穴から発射するらしいが……。 大気圏外に打ち上げるのなら垂直に上げる方が空気抵抗は少ないが、翼のあるミサイルなので、途中までは航空機みたいに揚力で高度を稼いでその後大気圏離脱、という方式か。 |
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わかりにくいが瞳の色は黒か茶褐色ではないかと。 背後の地球とセットで、ある意味非常に南部博士の立ち位置を示している象徴的なシーンになっている。最終回のインタビューのシーンが、南部博士の絵として絵本やムック本で使われているが、むしろこのシーンの方が合っている気がする。 |
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やはりこの回は、南部博士の瞳の色は青色になっているらしい。茶褐色の回の方が多いんだけどね。 | |
全部が合体しないとミサイルも使えず、火の鳥もできない。ジュンはヨーヨーで合体装置を結んで配線をつくってミサイルを撃てるようにする。とはいえ、ミサイルを撃つだけで線はこの有様で、何発か撃つと断線してしまう。 合体しないと使えないメカの実装としては、あっさりジュンに裏をかかれるあたり、南部博士の実装が手抜きだったのかと思わないでもなく。 見たところ相当電圧がかかってるか大電流が流れているかって感じだが、ミサイルを撃つだけで、普段からここに組み込まれているG1号に無意味に負荷がかかっているってことじゃ……。ミサイルでこれだと火の鳥でどうなるか思いやられてくる。いずれにしても、線繋ぐだけで回避されてしまう南部博士の実装、そんなんでいいのか? |
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レッドインパルスの銃。アップはこれが初めてかな。実銃で、多少似た物はあっても、モデルだろうと言えるほどに同じものは無かったと思うが……。 | |
鷲尾健太郎は14年前に南部博士の研究所のテストパイロットだった。 テストパイロットを必要とする研究所なら、航空機関系の開発をやっていたのだろう。ということは、航空機メーカーでも丸抱えしていたとしか思えないし、それが後のゴッドフェニックスの開発につながったのでは。 |
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14年前に子供を預けたシーン。 行方不明になったのが11年前だと南部博士は健に説明したわけで、3年のズレがある。長期不在になることははっきりしていたし、おそらく妻ももともと病弱だったといったこともあって、とりあえず南部博士に健を預けたのではないか。当初は、そこまで危険と思わずにスパイを始めたが、どうやら本当に危ない相手だとわかって、死んだとみせかることにした、といったところか。 |