F-34話：エゴボスラーの策略

　宇宙パルスの研究で潜行しているシュバール氏を、変装した南部が訪れるが、すでにシュバール氏は殺されていて、レポートの大半をエゴボスラーが奪う。

チェックポイント

• ISOは宇宙パルスを調べるが、成果が上がっていない。
• 忍者隊にも内緒で、変装してシュバールの元に向かう南部長官。
• エゴボスラーも宇宙パルスにこだわる総裁Zに不審を抱く。
• ジョー「俺達の顔はとっくにギャラクターにバレてるしなぁ」
• 忍者隊も変装して後を追うが、丸い黒めがねの集団は、むしろ真っ先に怪しまれて職務質問されそうな……。
• シュバールのニセモノに撃たれて眠らされる南部。
• 家の裏でシュバールの死体を発見する忍者隊。なぜか無意味にロープで宙づりにされている。
• 家の前のキリスト像が動いて忍者隊を襲う。←初代でもメカブッダというのが居たが、今度はキリスト像。まあ、イスラムは偶像崇拝禁止だから、アラーだのマホメットだのは出せないだろうなぁ。
• 鉄獣の中に捕らえられた南部長官。
• シュバールのレポートは、最後の１枚を除いてエゴボスラーに持ち去られる。
• 健が南部長官を救出して脱出。鉄獣は勝手に壊れて自爆。

今回の南部長官

• 南部「宇宙パルスの研究を推し進めれば、必ず総裁Zの秘密を突き止めることができる」
• 南部「うーむ。宇宙パルス研究レポートその１か。このレポートは国際科学技術庁の研究をはるかに上回っている部分がある」
• 南部「わかった。すぐに連絡をとってくれたまえ」
• 南部「ああ、720便を予約した山辺という者だが」
  南部「いや、レオデジャネイロだ」
  南部「ああ、ありがとう」
• 南部「あ、いや、私は……」
• 南部「シュバールさん、あなたのレポートに、宇宙パルスAQ3の謎が間もなく解けるとありましたが、具体的にはどのようなことなのか、伺いたくてやって参りました」
• 南部「わかりました。手短に申し上げましょう。恐るべきギャラクターの指導者、総裁Zのことはご存じですね。彼は幾度となく国際科学技術庁に挑戦してきましたが、宇宙パルス研究所の破壊には、異常なほど神経を尖らせていたと思われます。以前、グルシヤ国境のカウベラ市では、おそるべき鉄獣メカによって、電波操作によるパニックまで引き起こされました。ギャラクターにとって全く意味のない街を襲った理由は、宇宙パルス研究所の妨害以外にはありません。結果は、ギャラクターの失敗に終わりましたが、その後もギャラクターは世界各地の宇宙パルス研究所に数々の破壊工作を加えました。」
• 南部「おそらく、研究が進めば総裁Zにとって都合の悪い事態が発生するのでしょう」
• 南部「それはまだわかりません。ただ言えることは、宇宙パルスが総裁Zにとって極めて重要なものであるということです。我々は一日も早く研究を進め、その謎を解きたい。そうすれば、総裁Zの秘密が明らかになり、ヤツの弱点をつかめるかもしれません。」
• 南部「どうか、力になってください。お願いします」
• 南部「そうです」
• 南部「君は何者だ！なぜ合成樹脂被膜で顔を覆う？君は本当にダニエル・シュバールか？」
• 南部「エゴボスラー、ダニエル・シュバールをどうした？」
• 南部「それじゃあ……」
• 南部「大丈夫だ」
• 南部「毒林檎と７人の小人たち。これが研究資料の最後の文章だ。ダニエル・シュバール。私は生きている君と会いたかった」

感想・考証・議論

• キリスト像に鉄獣が仕込まれてて攻撃してくる回。初代で「メカブッダ」が登場していたわけで、仏教に続いてキリスト教も敵キャラにしたことになるが、さすがにイスラム教は偶像崇拝禁止だから敵役ロボットキャラにするのは難しいだろうなぁ。
• シュバール氏を殺さず、盗聴器でも仕掛けた後南部に会わせて、情報を全部出させた方が得るものは多かったのではないかと……。

	宇宙パルス研究中のISO。 正面パネルに出ているのがBASICぽいソースコードに見える件。 そんなもの大写しにされたって、南部長官だって困るだろうに……。そこで流れているソースを見ながらエラーチェックでもしてるんだろうか。
	紙テープはまだ健在。
	ダニエル・シュバール氏のレポート。これもどう見てもBASICのソースコード。 製作当時の1980年なら、大規模科学技術計算のプログラムは、FORTRAN以外にあり得なかった。適当なそれっぽいソースを提供してくれるルートが製作側に無かったのだろうか。
	変装後の南部長官。しかし、骨格と声は変えられない、という理由であっさり見破られている。変装の技術は、ベルク・カッツェの方が圧倒的に上だが、それにしても声くらいは機械処理して変えた方が良かったんじゃないの。
	どうにか無事脱出（というか救出された）後、１枚だけ手元に残ったシュバール氏のレポートを見つめている南部長官。まあ、健が居れば大丈夫なんだろうけど、それにしてもその不安定な翼の上で脇目も振らずにレポートの内容に熱中しているとは、よっぽど読みたかったのだろう。えーと、「しんでもラッパをはなしませんでした（尋常小学校教科書）」状態？まあ、科学者ってこういう輩だわな。