II-44話:たたけ!邪悪の火星基地
戦いの舞台は火星へ→健遭難→救出作戦は次回へ。なお、初めてソーラーシフト計画の内容が南部博士によって語られる。これまでは、ソーラーシフターという名称は敵側で出てきていたが、何をどうするものであるかは出てきていなかった。
チェックポイント
- 普段は出ない都会にオーロラが出る。
- 係官「南部博士、太陽面の活動が異常に活発になっています。そのために、短波通信がほとんど不可能です」
- 世界各地で気温上昇。
- 健はオービターG号で火星へ。
- バラジリア上空で地球の秘密基地を探し続けるニューゴッドフェニックス。
- 人っ子一人居ないビルに気付いて調べるが、エネルギー補給ができないために別の場所に基地を作ったことをギャラコンに告げられる。
- 健は基地を発見するが、ミサイルは迎撃される。
- オービターG号の頭部を切り離してミサイル代わりにして基地を破壊。
今回の南部博士
- 南部「うーん。予測通りだな」
パンドラ「南部博士、これはギャラクターが火星からメインビーム砲を太陽に向けてテスト照射したという見方が正しいようですわね」
南部「ああ」 - 健「何ですって。それじゃあ、ギャラクターのビーム砲は太陽をねらっていたんですか」
南部「そうだ。ソーラーシフト計画だ」 - 南部「これまでにわかったことだが、ギャラクターはこのビーム砲つまりソーラーシフト基地を、地球、火星、そして金星の3つの惑星に完成したと考えられる。ソーラーシフト計画とは、この3つの惑星が、特定の位置関係にきた時、そこから同時に太陽に向けて、特殊なエネルギーが放射されるのだ。地球では数カ所より、マントルがエネルギーとされ、ビーム砲から発射される。そのエネルギーは1つとなって、太陽に向けて撃たれる。同じことが、金星と、火星から行われるのだ」
ジュン「博士、その3つのビームが太陽に当たるとどうなるんですか」
南部「わかりやすく言うと、放射されたビーム光線のため、太陽内部の融合反応が極性化し、それによって太陽は徐々に動き始める。」 - 南部「どこへ行くか、それはわからない。そして、これこそが、総裁Xの巨大計画だったのだ。いずれにせよ、どこかの星座へ太陽を移動させようというのだろう。」
- 南部「ギャラクターは火星から再びそのテストを行うに違いない」
- 南部「うーん、何としてもこの計画を阻止しなければ、地球は大変なことになる。諸君、直ちに両面作戦に入る」
- 南部「今、火星は、地球から最も近いところにあるが、危険も伴う」
- 南部「ブースターを増設した、オービターG号なら、火星まで4日で行ける」
- 南部「健に行ってもらおう」
- 南部「オービターG号にミサイルは1発だけだ。失敗は許されん。1発で火星の秘密ビーム基地を叩くのだ。健、成功を祈る。ニューゴッドフェニックスは、スペースシャトルを誘導する。ただちに出動せよ」
- 南部「頼んだぞ、健」
- 南部「健は順調に飛んでいる。明朝6時には火星へ着く。だが、ギャラクターは我々の行動を知ったと考えるべきだ」
- 南部「うん、今や一刻を争う事態だ」
- 南部「こちら南部。このメッセージは地球時間X3、午前5時48分のものだ。地球時間午前6時、総裁Xは決行する」
南部「地球での基地探しは失敗だ。ガッチャマン、頼むぞ」 - 南部「ミサイルは一発だ、慎重にやれ」
- パンドラ「博士」
南部「ああ。間にあったようだ。ありがとう、ガッチャマン。よくやった。ありがとう」 - 南部「ガッチャマン、ガッチャマン。応答せよ。健!」
感想・考証・議論
ソーラーシフト計画の全貌を説明する南部博士。 | |
オービターG号の打ち上げ管制室。Gタウン内部にあるらしい。NASAあたりの管制室か、シャイアンマウンテンのNORADの設備のようなイメージ。 しかし、Gタウンからの打ち上げなんて滅多にないわけで、普段は何に使っているんだろうね、この設備は。 |
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打ち上げを見守る南部博士。 | |
GタウンからオービターG号を打ち上げたところ。ニューゴッドフェニックスにピギーバックライドで打ち上げ、途中で切り離し、ブースターで加速しながら火星へと向かう。 細かいチェックなのだが、Gタウン胴体部分の厚みとニューゴッドフェニックスの全長を見る戸、ニューゴッドフェニックスの方が長い件。打ち上げ直前のシーンでは、全体がGタウンにおさまっていて、Gタウン上部の発射口のシャッターが左右にスライドして現れたようになっていたが、それだと、ニューゴッドフェニックスの収納ができない(汗)。この状態でブースター点火すると、海面を加熱して盛大に水蒸気が上がる……はず。まあ、テンポ優先の演出なんでしょう。 それ以前の問題として、そもそも垂直に打ち上げる必要があるのかと。普段の飛行を見た限り、ニューゴッドフェニックスは大気圏内では揚力を稼げるわけで、垂直に打ち上げるメリットはなさそう。普通に飛行して上昇、大気が薄くなったあたりでブースターで加速し上昇、オービターG切り離し、の方が楽そうではある。 |
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宇宙仕様のスーツ。ヘルメットは顔全面を覆うタイプ。 IIの設定画には、このタイプのヘルメットをかぶった姿が5人分描かれているが、本編で使ったのは今回と次回の健と、次回登場のジョーだけ。 最初のうちに、5人まとめて宇宙へ出るという案でもあったのだろうか。ガッチャマン全集掲載の企画書を見ても、特に、宇宙での活躍をメインにするということは書かれていないのだけど。 |
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ヘルメットの形がわかるカット。 内部を余圧した際の強度を考えるなら、折れ曲がった部分に応力が集中するので、球形が良いわけだが、そこはまあアニメだし、バードスタイル踏襲でないと様にならないし……。 そういえば、健は、地底都市の回でも、地底仕様のスーツに着替えていた。 |
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作戦成功の報告を受ける南部博士。 | |
いつも緊張しているので、こういう微笑んだ表情は珍しい。 | |
本当に良かった、と目を閉じたまま、まぶたを震わせる演出がナイスです。 |